思い通りにならない人生だからこそ、愛おしいのかもしれないと感じさせる。
生きる力をあたえてくれる良作。
画像の引用元:IMDb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)
ローラとふたりの兄
公開日
2021年12月10日
原題
Lola et ses freres
上映時間
105分
キャスト
- ジャン=ポール・ルーブ(監督)
- リュディビーヌ・サニエ
- ジョゼ・ガルシア
予告編
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
考察レビュー
好きだった点
妊娠できない宣告を受けたローラが、兄2人に真実を打ち明けたシーン。
兄たちがどんな慰めの言葉よりも、まずローラにキスを浴びせたシーン。
何がどうなったって君は尊いし、愛する存在だ、大丈夫だと物語っているようで涙が出ました。
血のつながった兄弟との愛情もしっかりと描きつつ、血縁にとらわれることはない、というメッセージもしっかり込められていて好感が持てます。
最終的にローラがとった選択も愛にあふれ納得感のあるものだったので、気持ちのいいラストでした。
嫌いだった点
長男ブノワが気が乗らないといつも店を女性店員に任せて、自分勝手にフラフラしてしまうシーンが、甘えているし、思いやりがないなと感じました。
妻の妊娠を喜ばずに妻を傷つけるあたり、この人はこういう人なのだ、と思うしかないのかもしれませんが。
かと思えば、失業を隠す次男ピエールに「 兄貴なんだから俺を頼れ 」という情も見せるあたり、何とも人間は複雑で多面的なものだとも思います。
考察レビュー
最初のシーンでは、ローラが少年を自分の子どものように愛おしそうにあやしていました。
そのシーンは映画を見終わるまで忘れていたのですが、最終的にローラが選んだ道と密接に繋がっていたことに後から気づきハッとさせられました。
当初のローラが苦しんだように、しがらみや伝統にがんじがらめになる必要はないのです。
自分が出会い、通ってきた道を認識し、オリジナルの人生を歩むことが大切なのだと感じます。
まとめ
映画によって新たな人生観を知ったり、信じているものを再確認したりする点は、素晴らしい体験の1つです。
この映画にはまさにそんな要素が散りばめられています。
生きていると本当に色々なことがあり、どうして自分がこんな目に、と思うようなこともあります。
皆それぞれ色々あるなと共感し、おぼろげながらでも、そこから立ち上がる登場人物たちに勇気をもらえます。
疲れたている時には優しく効く薬に、元気な時にはゴージャスで優れた栄養になるような良質な作品だと思います。