
純愛三角関係を描いた古典たる戯曲。
要するにミュージカル。
ただただ胸が締めつけられる。
「 シラノ・ド・ベルジュラック 」と「 シラノ 」についての考察。
画像の引用元:IMdb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)
シラノ


公開日
2022年2月25日
原題
Cyrano
上映時間
124分
キャスト
- ジョー・ライト(監督)
- ピーター・ディンクレイジ
- ヘイリー・ベネット
- ケルビン・ハリソン・Jr.
- ベン・メンデルソーン
予告編
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
考察レビュー


「 シラノ・ド・ベルジュラック 」
1897年の初演から、世界各国でオペラやミュージカルとして、各国で翻訳解釈され上演され続けている。
幾度となくミュージカル映画やドラマとして、更に現代版リメイクとして作られ続けた名作である。
映画を上げるなら、「 シラノ・ド・ベルジュラック 」としては、
- 1946年
- 1950年
- 1972年
- 1990年(ジェラール・ドパルデュー)
- 2008年
上記のように、今作の「 シラノ 」アレンジ版が、多岐に渡って製作されている。
1987年スティーヴ・マーティンとダリル・ハンナ主演「 愛しのロクサーヌ 」
1996年「 好きと言えなくて 」は記憶に残る作品と言える。
「 好きと言えなくて 」は、フジテレビが佐藤浩市主演「 天気予報の恋人(2000年)」としてアレンジしている。
今作は脚本のエリカ・シュミットが、脚色・演出を手掛ける。
ロックバンドのザ・ナショナルが楽曲を手掛けたオフ・ブロードウェイ・ミュージカルを、ジョー・ライト監督が熱望し映画化を果たした。
現代の手法と解釈で、古典作品を映画化することに長けているライト監督が、ミュージカルと同じ脚本で美しい映像を構築。
ピーター・ディンクレイジ(シラノ役)は、舞台の主演も務め、エリカの夫でもある(昨今の舞台から派生したミュージカル映画には多いケース)
近年のミュージカル作品や劇中のダンスシーンやモブでは、裏拍で刻むビートにノッたストリート系HipHopかジャズダンス系、クラシックでもコンテンポラリーが主流の中で、
今作ではクラシック・バレエ的な重さを感じさせない、高揚感あるアプローチで美しく叙情的に表現している。
ときに誠実に。
ときに打算的に。
ときに肉欲的に。
ときに崇高に。
とき横暴に。
全ては純粋に、誠実に忍耐を魅せる勇気の在り方。
どれだけ愛し、どれだけ愛しぬく姿。
ただただ胸が締めつけられた。
ただただ愛を届けたかった。
まとめ


近年のミュージカル映画の傾向として、突然に歌い踊り出すと言うよりも、会話やシーンと劇中曲から自然と展開していく。
だからこそ、ミュージカル映画が苦手と感じている諸兄には、恋と愛の物語を鑑賞して欲しいと願う。