小説家でありながら動物学者のディーリア・オーエンズの処女小説「 ザリガニの鳴くところ 」は、2018年発売の世界的ベストセラー。
ある日、ノースカロライナ州の湿地帯で青年の変死体が発見された。
犯人として浮上したのは、たった1人の少女だった。
彼女は法廷で自身の半生について語り始める。
ザリガニの鳴くところ
あらすじ
公開日
2022年11月18日
原題
Where the Crawdads Sing
上映時間
125分
キャスト
- オリビア・ニューマン(監督)
- デイジー・エドガー=ジョーンズ
- テイラー・ジョン・スミス
- ハリス・ディキンソン
予告編
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
考察レビュー
2021年、本屋大賞で翻訳小説部門第一位になった今作。
原作は未読だが、この本屋大賞での受賞がとても気になったので鑑賞した。
”湿地の娘”とか薄汚いとか言われて散々イジメられていたけれど、明らかに街の人間よりもカイアの方が魅力的だった。
お顔も可愛いし、服のセンスも素敵。
何よりも、自分の身の回りにある自然や古い家を大切にしているところにとても惹かれた。
大事な人に何度も裏切られて、その度に泣くけれど、絶対に折れないカイアは純粋に凄いなあと思う。
浮気は良くない。
私なら婚約者と偶然対面したら「 え?私と付き合ってたんじゃないの?」とか言っちゃうかもしれない。
あえて何も言わず彼の元を離れたカイアは、とても大人だった。
湿地の豊かな環境が彼女の精神年齢を大きく変えたなら、彼女は街にいるチャラチャラした人たちとは根本的に合わない。
カイアの幼馴染であるテイトは、文字の読み書きができなかったカイアに教養を与えた優しい青年だ。
しかし、彼は一度カイアを裏切ってしまう。
お互いがお互いをとても大きな存在として認め合っていたからこそ、その先の展開が温かいものになる。
人から蔑まれて生きてきたカイアは、人を信用せずずっと湿地にこもって生きていてもおかしくはないが、彼女を温かく見守る売店の夫婦やテイトが、カイアの人付き合いを手助けしているように見えた。
まとめ
湿地で発見された変死体を巡り物語が進んでいくが、誰が殺したのか、どのように死んだのか等はあまり重要視されない。
重要なのは、孤独に生きていた彼女の人との関わりを示す自叙伝的な部分にあると思った。
カイアは人に恵まれている。
映画を通して、家族や友人ではない、もっと深い部分にある絆を感じた。