「 コンパートメントNo.6 」ネタバレあり解説レビュー

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コンパートメントNo.6
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管理人
今回は、ペンネーム@ayahhiさんからの投稿レビューです。

極寒の地ゆえ、人間の温かみをジンワリと感じる、色彩と光に彩られたヒューマンドラマ。

目次

コンパートメントNo.6

コンパートメントNo.6
©︎コンパートメントNo.6

あらすじ

フィンランディア文学賞を受賞した原作を題材にした作品。世界最北端へ向かう女子学生の列車旅は、恋人にドタキャンされて始まる。

公開日

2023年2月10日

原題

Hytti Nro 6

上映時間

107分

キャスト

  • ユホ・クオスマネン(監督)
  • セイディ・ハーラ
  • ユーリー・ボリソフ
  • ディナーラ・ドルカーロワ
  • ユリア・アウグ
  • リディア・コスティナ
  • トミ・アラタロ

予告編

公式サイト

コンパートメントNo.6

作品評価

  • 映像
  • 脚本
  • キャスト
  • 音楽
  • リピート度
  • グロ度
  • 総合評価

考察レビュー

コンパートメントNo.6
©︎コンパートメントNo.6

登場人物の表情の豊かさに惹きつけられます。

恋人に旅行をドタキャンされ、酔っ払いで粗野な同乗者リョーハと長旅の時間を共にする羽目になり、ウンザリした気分だった主人公ラウラ。

彼女は自分をかばい、味方してくれ、楽しい気持ちにさせてくれる彼に徐々に心を開き、ほどなく恋心に発展するという大胆な展開。

しかし、場面場面の彼女の心の揺れや葛藤、嬉しさやワクワクが間近で、丁寧に描かれているので、観客は自然と彼女にシンパシーを寄せることになると思います。

好青年への良心を裏切られて涙するラウラに、

「 みんな死ねばいい 」長旅の目的だった歴史遺産を見に行くのに天候不順のため車も船も出してもらえないと落胆するラウラに「 怠けものどもが 」

といった、やや過激ながらも彼女の心情に寄り添い、全力で味方してくれるリョーハの発言には好感を抱かざるを得ません。

留学先のモスクワで、知的で交友関係の広い魅力的な恋人イリーナと過ごすラウラは、イリーナの陰に隠れ、素敵な彼女と一緒にいられる喜びを感じながらも、

それを上回る劣等感も感じており、自分を大切にできていなかったと感じます。

本来の自分らしさを押し込めて、イリーナや彼女の周囲に合わせようと空回りしてばかり。

好きな人と一緒にいながらも、常に失う恐れを抱くラウラのそぶりに、そういう関係性ってあるなあ、と共感せずにいられない方も多いのでは?

イリーナは実際、ラウラのことはさほど大切に思っておらず、旅先からのラウラの電話も早く切りたがる始末。

おそらくラウラとの関係も、遠からず終わりを告げるのでしょう。

そんな時、ラウラが自分が本来持っている愛情や勇気や大胆さに蓋をせず接することのできるリョーハと過ごすことは、自分を取り戻すリハビリだったとも感じます。

まとめ

ラストシーンの光と、ラウラの「 こんな愛らしい笑顔で笑うんだ 」と嬉しくなるような表情に心打たれます。

国や言語は違えど、人は同じようなことに惑い、落胆し、また微笑みも取り戻すんだなと、心が温かくなる作品でした。

コンパートメントNo.6

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