現代に新たなホラーの潮流を巻き起こして止まない「 ゲット・アウト 」や「 ハッピー・デス・デイ 」のブラムハウス・プロダクションズ最新作。
おぞましい仮面男「 グラバー 」の狂気に、あなたは耐えられるか?
画像の引用元:IMdb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)
ブラック・フォン
公開日
2022年7月1日
原題
The Black Phone
上映時間
104分
キャスト
- スコット・デリクソン(監督)
- イーサン・ホーク
- メイソン・テムズ
- マデリーン・マックグロウ
- ジェレミー・デイビス
- ジェームズ・ランソン
予告編
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
考察レビュー
今作はホラー作家で有名なスティーブン・キングの息子、ジョー・ヒルの短編小説「 黒電話 」が原作となっています。
スティーブン・キングの小説は「 キャリー 」や「 シャイニング 」等のホラーを始め、「 スタンド・バイ・ミー 」といった少年期を描いたジュブナイル作品と多岐に渡ります。
新しい作風を生み出し、かつて現代的なホラー作家と言われたスティーブン・キング。
今や巨匠と呼ばれ、ホラーの「 既存の枠組み 」を作った側の人物となりました。
現在においてモダン・ホラーとして名高いブランドが「 ブラムハウス・プロダクションズ 」です。
このスタジオは、新たなジャンル開拓と、ひと昔前のホラー作品の面白さを再認識させる事が得意なスタジオです。
今作では、かつてホラーにジュブナイル要素を加え、新しい作風の映画として話題となったスティーブン・キングの「 IT イット 」の演出が、逆に「 既存の枠組み 」として用いられています。
例えば仮面男「 グラバー 」は、「 IT イット 」に登場する怪人ペニーワイズと同じく、風船を手に少年たちに近寄ります。
グラバーが本格的に登場するまで、主人公フィニーと、その妹グウェンを取り巻く人間関係が丁寧に描写され、一連の主人公たちの行動全てがラストで繋がります。
今作は少年たちが力を合わせて得体の知れない怪人に立ち向かう「 IT イット 」のようなジュブナイルホラーの様相を呈しているのです。
さて、今作の「 グラバー 」は「 スクリーム 」のゴーストフェイスのように、只の仮面をつけた人間です。
しかし、ホラー映画を代表するジェイソンやブギーマンと肩を並べる程の怪人になっています。
特にグラバーが、あえて監禁部屋の鍵を閉め忘れたふりをして、逃亡を図った主人公を返り討ちにするために、異様な衣装で待ち伏せるシーンは途轍もない不気味さを感じました。
まとめ
今作の製作は何と言っても「 ブラムハウス 」なので、単なるジュブナイルホラーではなく、やはり一捻り加わった脚本となっていました。
特に主人公の監禁部屋に設置された「 死者と繋がる黒電話 」は鑑賞の前後で、印象がガラリと変わります。
ホラー映画だからこそ味わえる、恐怖を伴うカタルシスを体感できました。