皆さん、B級映画といえば何を思い浮かべますか?
クッソつまらない映画とか思い浮かべませんか?
10年前のある日、ぼくは、B級映画の定義についてふと考えました。
大学生の頃、映画の授業でB級映画の歴史について詳しく調べたことがありました。(その時、海外にいました)
昔はですね、DVDとかなかった時代ですから、よくGEOに行ってビデオを借りていたのを覚えています。
今回は、そんなB級映画について少しだけ触れていきたいと思います。
B級映画
歴史
B級映画の歴史は古く、1930年代までさかのぼります。
発祥は、映画大国アメリカです。
当時のアメリカでメイン映画といえばAムービーを指しました。
Aムービーは、予算をかけて制作された一方で、Bムービーは、低予算、短期撮影といった限られた条件のもと制作されました。
当時、Aムービーは2本立てが主流でして、Bムービーはそのオマケとして公開されていたにすぎませんでした。
その後、アメリカ映画界は大作主義の時代に移行します。(1950〜1960年代)
大作主義時代により映画制作本数は激減。
やがてBムービーは消滅します。
2本立てになった理由
1930年代というのは、世界恐慌の時代。(1929年10月より)
当時、アメリカ経済の中心地だったウォール街で株価が大暴落(1929年10月24日)し、世界恐慌に発展します。
いわゆるBlack Thursday(暗黒の木曜日)でして、1929年10月29日に2度目の大暴落、これを悲劇の火曜日といいます。
これは日本にも影響を及ぼします。(詳しくは日本史を勉強してください)
当然、アメリカの映画業界も打撃を受けますよね。
不況の時代になり、観客動員数が激減します。
当然、映画会社は、多くの観客に来てもらいたいですよね。
映画会社と映画館側の利害関係の一致もあり、2本立てで映画を公開する流れが主流となりました。
B級映画の本来の定義
Bムービーというのは、アメリカにおいて2本立てが主流だった時代に使われていた言葉でして、いま使われているB級映画という言葉は、少しばかり違和感を感じます。
現在でいうB級映画は、例えば、駄作映画、CGがしょぼい、内容が薄いモンスター映画などをB級映画として一括りにしてしまっている感が否めませんよね。
B級映画の本来の意味は、短期間・低予算で制作された映画のことを指します。
つまらない・有名ではない映画=B級映画ではないんですよね本来は。
ぼくは、B級映画という言葉があまり好きではないので、普段はできるだけ使わないようにしています。
制作側はB級映画と思ってないのに、見る側はB級だと言うと、なんか嫌じゃないですか。
まとめ
ターミネーター(パート1)は、制作費が650万ドル前後なので、一般的にはB級映画と言われています。
年代ごとにB級映画の定義は変わっていますね。
ターミネーターは1980年代に公開されまして、80年代の650万ドルは、当時の感覚でB級という定義だったのでしょう。