「 名もなき生涯 」考察レビュー、家族を守るためナチス政権に立ち向かった男の実話物語
映画ライフ楽しんでますか?
今回は、ペンネーム(@Yoko)さんからの投稿レビューです。
ではサクッといきましょう。
こんにちは、Yokoです。
戦時下で信念を貫き通したある男性の人生を描いた「 名もなき生涯 」
時は第二次世界大戦、ドイツ支配下のオーストリア。
山奥で暮らす男は、最後まで自分の信念を貫き、ドイツに忠誠を誓わず人生を終えました。
美しい山々と美しい夫婦の愛情まっすぐな信念という美しい物に囲まれた中で、ドイツ軍が行っていたことは残虐なことでした。
画像の引用元:IMDb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)
名もなき生涯
公開日
2020年2月21日
上映時間
173分
キャスト
- テレンス・マリック(監督)
- アウグスト・ディール
- ヴァレリー・パフナー
- ミカエル・ニクヴィスト
- ユルゲン・プロホノフ
予告編
公式サイト
感想レビュー
好きだった点
最後まで自分の信念を貫き、神を信じ続けたフランツの真っ直ぐさとその夫婦の愛情。
そして、娘たちへの想いがオーストリアの山々と重なり、清くて美しいものとして描かれていました。
敬虔なカトリック教徒のフランツは、神の教えとドイツ軍が行っていることに矛盾を感じる。
祖国を愛するがゆえ、ヒトラーに忠誠を誓わず召兵も拒否します。
そこには彼の神に対する強い信仰がありました。
村の人から裏切り者扱いされ、誰も助けてくれない暮らしになってもフランツは信念を曲げません。
そして、彼の妻も最後まで夫を愛し、夫の行動を信じ支えていました。
どんなに阻害されても2人の愛情は緩むことなく、2人の想いも変わることはありません。
「 口だけ忠誠を誓えばいい 」と言われても最後まで誓わず、決して魂を売らなかったのがフランツでした。
フランツの強い心情と、彼を信じた妻の愛情に敬意しかありませんでした。
ここまで人を強くさせることができた信念の凄さと、それを無残にも砕いてしまった戦争への憎しみ。
両方を感じる作品でした。
嫌いだった点
173分と上映時間が長い。
前半は、綺麗な山での農業がずっと続くので、ボーッとしてしまいそうになりました。
見どころ
テレンス・マリック監督の作品なので、とにかく山々が神がかったように美しいです。
主人公の信仰の深さと重ねていると思われる景色の美しさは「 名もなき生涯 」の1番の見どころです。
さらに、その山で暮らすフランツたちの生活を前半は永遠と映し続けます。
演技とは思えない描写に、本当にこの場所で暮らす人々の暮らしを見ているようでした。
前半はセリフもほぼなく、ただただフランツ一家の日常生活が描かれています。
静かな中に聞こえる風の音や木々の音など、自然に触れることができます。
普段、これほど静かな生活を送っていない現代人にとっては、別世界のように映るかもしれません。
のどかで素朴な生活だった前半と、フランツが捕まってしまった後半のトーンの違いが見終わった後、心に深く残ります。
暖かい雰囲気の山暮らしと、冷淡な刑務所での生活。
このギャップがより戦争の悲惨さを心に植え付ける作品でした。
まとめ
第二次世界大戦時代に生きたある男の物語「 名もなき生涯 」
これは実話に基づく物語です。
戦闘シーンなど一切ありません。
反戦映画であり、またフランツのように最後まで忠誠を誓わずに命を落としていった人たちへの追悼の映画でもありました。