「 ウルフウォーカー 」の映画情報・あらすじ・レビュー(カートゥーン・サルーン)

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「 ブレンダンとケルズの秘密 」

「 ソング・オブ・ザ・シー 海のうた 」

を生み出した、アイルランドのアニメーションスタジオ、カートゥーン・サルーン最新作。

妖精が生きるケルト伝説を、美しいアニメーションを通して楽しめました。

目次

ウルフウォーカー

ウルフウォーカー
©ウルフウォーカー

あらすじ

イングランドからオオカミ退治のためにやってきたハンターのビルとその娘ロビン。そんなある日、ロビンは森の中で「ウルフウォーカー」の少女メーヴと出会う。ウルフウォーカーは人間とオオカミがひとつの体に共存している種族で、寝ている間はオオカミの姿で動き回ることができた。そんなメーヴと仲良くなったロビンは、オオカミの姿のまま行方不明になってしまったという彼女の母親を捜し始める。

公開日

2020年10月30日

原題

Wolfwalkers

上映時間

103分

キャスト

  • トム・ムーア(監督)
  • ロス・スチュワート(監督)
  • オナー・ニーフシー(ロビン)
  • エヴァ・ウィッテカー(メーヴ)
  • 新津ちせ(ロビン)/ 吹き替え
  • 池下リリコ(メーヴ)/ 吹き替え

予告編

考察・感想レビュー 

ウルフウォーカー
©ウルフウォーカー

好きだった点

1つ1つの場面が美しく、絵本の中に入り込んだようで目が離せませんでした。

カートゥーン・サルーン作品を知る人は、あの独特なキャラクター造形や、背景デザインが好きという人も多いかと。

今作でも、主人公ロビンと友人メーヴの性格がキャラクターの造形からも感じ取れました。

神秘的な森の描写は、手描きのような柔らかいタッチと曲線で構成されているのに対し、

抑圧された街の描写は、版画のような硬いタッチと直線で構成されており、両世界の違いがヴィジュアルからも分かります。

オオカミ視点での匂い、音の感じ方をアニメーションにしているシーンも面白かったです。

嫌いだった点

戦争と宗教の圧力を跳ね除け、自分の守りたいものを見つけて強くなっていくストーリーは感動するポイント。

その時代背景、1650年のアイルランドとイギリスの関係性、イギリスから来たロビンと父ビルが、アイルランドのキルケニーで暮らす肩身の狭さなどをもう少し分かり易く描いて欲しかった。

説明的にはなって欲しくないですが、どの部分にどれだけ焦点を当てるかが難しいですね。

嫌いな点というわけではないのですが、自分の知識不足を感じる点ではありました。

見どころ

歌手オーロラの力強く透明感あふれる「 Running With The Wolves 」が流れる中、オオカミになったロビンとメーヴが、夜の森を駆け抜けていくシーンの躍動感は、

見ているこちらもウルフウォーカーになって2人と一緒に走っているような感覚になりました。

ポスト・ジブリと呼ばれる点にも注目。

監督がジブリ作品「 かぐや姫の物語 (2013年 高畑勲監督)」にインスパイアを受けた語っていました。

後半のロビンが自分の意志に従って行動していくシーン。

彼女の意志の強さを表すように、アニメーションの線が力強く走り抜けていくような描かれ方に「 かぐや姫の物語 」の影響を感じました。

ストーリーも「 もののけ姫(1997年 宮崎駿監督)」と共通するような点があると思います。

ハッピーエンドとはならないのかも?

ロビンと父ビル、友人メーヴとその母モルは家族となり、狼たちを連れて新天地を目指します。

これはロビンとメーヴがいつまでも仲良く過ごせるという点では、1つのハッピーエンドなのかもしれませんが、私はそれよりも気になってしまった点がありました。

それは、結局彼らが森を去る結果となってしまったこと。

森の生き物も、語り継がれていた存在ウルフウォーカーも、もともと住んでいた土地を離れなければ生きていくことはできない。

それは人間の自然への侵攻を止めることができなかったことを示唆しているのではないでしょうか?

まとめ

ウルフウォーカー
©ウルフウォーカー

ポスト・ジブリとも称されるカートゥーン・サルーン。

今作がケルト三部作の完結編でした。

個人的には、前作の「 ソング・オブ・ザ・シー海のうた 」の方が好みですが、今後の作品も楽しみです。

「 ブレンダンとケルズの秘密 」

「 ソング・オブ・ザ・シー 海のうた 」も是非見てください。

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