設立から15周年を迎えた、ストップモーションアニメーションの最前線に立つスタジオライカ最新作「 ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒 」が日本公開。
今までと違うスケール作品を一足先に、東京国際映画祭の先行上映にて鑑賞してきました。
ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒

あらすじ
ヴィクトリア朝時代のイギリス。とある偏屈な英国紳士は、探検家あこがれの「貴族クラブ」に入会を果たすため、未確認生物の発見に情熱を燃やす。しかし性格が災いして孤独な奮闘を続けていた彼は、ある日、1通の手紙を受け取る。それは、人間が類人猿から進化した過程に現れた「失われた環」 (ミッシング・リンク)と呼ばれる幻の未確認生物、ビックフットの居場所を教えるものだった。やがて彼は、アメリカの森でビックフットと思しき生物を捕獲。しかしその生物は言葉を話し、仲間のもとに連れて行ってほしいと頼んで彼を驚かせる。
公開日
2020年11月13日
原題
Missing Link
上映時間
93分
キャスト
- クリス・バトラー(監督 / 脚本)
- ヒュー・ジャックマン(ライオネル卿)
- ザック・ガリフィアナキス(Mr.リンク)
- ゾーイ・サルダナ(アデリーナ)
予告編
作品評価
考察・感想レビュー

好きだった点
歴代ライカ作品にはないスケール規模と、良い意味で軽さを感じる作品でした。
スタジオライカ第1弾「 コララインとボタンの魔女 」〜前作「 KUBO二本の弦の秘密 」までは、
1つの舞台で幼い主人公が苦難を乗り越えていくというのが、一貫したテーマで、時には苦しいシーンが続くことも多かった。
しかし、今作でそのようなシーンは、ほとんど感じませんでした。
ビッグフットのMr.リンクのあどけなさから、クスクスと笑えるポイントもあり。
主人公2人が直面する大きな壁はあるものの、それを持ち前の明るさで吹き飛ばすような印象が残る作品でした。
アドベンチャーなので、アクションも多い。
アクションといっても、今作はストップモーションアニメーションなので、キャラクターが自ら演じているわけではありません。
アニメーターが1コマ1コマ動かしているので、アニメーターの力量に圧倒されました。
嫌いだった点
人の手を通して作られている点に温かみを感じたり、3DCGなどでは感じられない良い意味での不完全さが、個人的には好きなポイント。
ライカ作品は新作が出るごとに、クオリティが上がっていきます。
それを可能にさせているのが、VFXの技術です。
近年の作品を見て感じてしまうのは、VFXと人の手を通して作られている部分の境界線がなくなってきているのでは?
という点です。
もちろん、今作のように壮大なストーリーを作り出すには必要な技術なのかもしれません。
「 全部CGなんでしょ 」という感想が他の席から聞こえてきた時には、ストップモーションアニメ好きとしては悲しくなってしまうところがありました。
見どころ
ものすごく面白かったとは言い切れず、どこか物足りなさを感じてしまいました。
アクションやコメディシーン、多くの場面転換など、今までのライカ作品では見られなかった点は面白かった。
ストップモーションアニメーション技術はもちろんのこと、ヒュー・ジャックマン、ザック・ガリフィアナキス、ゾーイ・サルダナが声を務めるキャラクターにも注目。
特にヒュー・ジャックマン演じるライオネル卿は、声と動きのリンク感が強く、途中からヒュー・ジャックマンに見えてきました。
まとめ

おすすめのスタジオライカ作品は下記のとおり。
- 「 コララインとボタンの魔女 」
- 「 パラノーマン ブライス・ホローの謎 」
- 「 ボックストロール 」
- 「 KUBO / クボ 二本の弦の秘密 」
個人的には「 コラライン 」「 パラノーマン 」が好きです。