【 Amazonオリジナル 】「 フランクおじさん 」1970年代アメリカで展開される同性愛の物語
映画ライフ楽しんでますか?
今回は、ペンネーム(@Yoko)さんからの投稿レビューです。
1970年代のアメリカ南部。
クリスチャンで保守的な家庭で育ったフランクは、家族に自分がゲイだとカミングアウトできずにいました。
ゲイであることを隠し続けるフランクでしたが、父親が亡くなったことで自分と向き合うことになります。
実はフランクには乗り越えなければならない傷が心の奥にあったのです。
最後に待っている感動的なラスト。
久々に出会った涙なしでは見れない作品が「 フランクおじさん 」です。
画像の引用元:IMDb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)
フランクおじさん
公開日
2020年11月25日
公開日
Uncle Frank
上映時間
94分
キャスト
- アラン・ボール(監督)
- ポール・ベタニー
- ソフィア・リリス
- ピーター・マクディッシ
予告編
公式サイト
作品評価
[rate title=”5つ星”]
[value 4]映像[/value]
[value 5]脚本[/value]
[value 3]キャスト[/value]
[value 4]音楽(BGM)[/value]
[value 3]リピート度[/value]
[value 0]グロ度[/value]
[value 4.5 end]総合評価[/value]
[/rate]
感想レビュー
好きだった点
のどかで素朴な美しい景色と19760年~1970年代のアメリカ南部の保守的人たちという相反するものが混ざり合う。
当時ゲイで悩んでいたフランクの苦悩がより心に突き刺さります。
こんなにも美しい自然の中に暮らしているのに、自分と違う人を受け入れない閉ざされてしまった心。
田舎だからこそなのかもしれませんが、そのギャップが当時の現状を表していました。
だからこそ田舎を出て都会のNYに向かったゲイのフランク。
その傷ついた心は賑わった都会の中では消えてしまったように思っていましたが、実は決して消えていませんでした。
彼は10代の頃に経験した苦い思い出にいつまでも苦しめられていたのです。
それは、父親の葬儀で実家に向かう途中で少しづつ思い出されます。
都会にいるほどフランクは元気で、美しい田舎に行けば行くほど苦悩するフランク。
そのギャップにどんどん引き込まれてしまう物語でした。
嫌いだった点
久しぶりに残念な点が全くないと思うほど、見終わった後に「 いい映画だったなー 」と思う作品です。
ラストが綺麗にまとまりすぎてるかなとも思いますが、皆がカミングアウトしたフランクを受け入れた訳ではないリアルな点も描かれており、良いエンディングだったと思います。
見どころ
ゲイであることに苦しむフランクは、家族にカミングアウトできずに悩み続けています。
10代の頃、父親に自分がゲイであることがバレてしまい、それ以来父親はフランクに冷たくあたります。
そんな父親との関係に悩んでいるのかと思っていたら、フランクの抱えている傷は別のところにあったのです。
少年時代父親に反対されて合わなくなった愛する恋人。
その恋人に対して彼は「 変態 」と心にもない言葉を言っていたのです。
それが原因で恋人は自殺してしまいました。
フランクはゲイであることを隠し続けた自分自身に悩み続けていたのです。
フランクの本当の悩みが徐々に暴かれていくシーンは、彼の苦悩が嫌というほど伝わってきました。
心が苦しくなってしまうシーンでしたが、とても物語に引き込まれるストーリー展開でした。
考察レビュー
1960年代~1970年代という時代、敬虔なクリスチャン、南部という土地柄、色々なものが重なりゲイであるフランクを苦しめています。
今作を見ていると、当時フランクと同じ人は多くいたのだと感じます。
劇中「 あの人もゲイだった 」と言うセリフも出てきます。
50年前の出来事を描いていますが、果たしてこの時代からどれほど変わったのかなと考えさせられます。
もちろん当時よりも多様化していますが、分断の続く世界ではまだまだ傷ついている人は多いのだろうと思いました。
だからこそ、時代設定が50年前になっていますが、今の時代にピッタリ合った物語だったなと。
まとめ
久しぶりに泣いた、久しぶりに心からいい映画だったと思えた作品が「フランクおじさん」です。
テーマは重いけど映像・ストーリー全てに魅了されて引き込まれてしまいました。
2020年に公開・配信された作品の中で私にとって上位に入る作品です。