「 ザ・ホエール 」考察レビュー、あらすじ&キャストまとめ

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文・ライター:@小松糸

「 ハムナプトラ 」シリーズでトップスターに上り詰めたものの、心身のバランスを崩し、長らく表舞台から遠ざかっていたブレンダン・フレイザーのカムバック作品。

大切な人を亡くし過食が抑えられず、体重272キロのチャーリー最期の5日間が描かれる。

目次

ザ・ホエール

あらすじ・ストーリー

恋人アラン亡き後、チャーリーは過食と引きこもりで健康を損ない、看護師リズの助けを借りてオンライン講師として働く。だが、心不全が悪化。彼は死を覚悟し、家族と縁遠くなった娘エリーに会いに行くも、彼女も学校や家庭で問題を抱えていた。

公開日

2023年4月7日

原題

The Whale

上映時間

117分

キャスト(登場人物)

  • ダーレン・アロノフスキー(監督)
  • ブレンダン・フレイザー
  • セイディー・シンク
  • ホン・チャウ
  • タイ・シンプキンス
  • サマンサ・モートン

予告編 / 予告動画

公式サイト

ザ・ホエール

作品評価

  • 映像
  • 脚本
  • キャスト
  • 音楽
  • リピート度
  • グロ度
  • 総合評価

考察レビュー

©︎ザ・ホエール

物語の後半はずっと泣いていた。

タイトルにある「 ホエール 」は鯨という意味で、映画を観る前は主人公チャーリーの体が、鯨のように大きいという意味でつけられたのだと思っていた。

しかし、実際は彼の内側の部分を言っていて、彼の抱えている孤独が鯨に例えられているんだと推測できた。

鯨は孤独な生物だと思う。

音を出して仲間内でコミュニケーションは測れても、他の生物にそれは聞こえず届かない。

その孤独な一面はチャーリーにも言えることで、自分の大きな体を醜いと感じている彼は、部屋から一歩も出ようとしない。

体重200キロ超えの人が住んでる部屋がアパートの2階って、床抜けないの?と鑑賞中に思ったのだが、もし1階に住んでいたら歩行器や車椅子を使って外出することが可能だ。

制作陣の、意地でもチャーリーを外に出さないという強い意図が感じられた。

その思いがチャーリーをどんどん孤独にさせる。

原作が舞台劇ということもあり、作品はチャーリーの部屋のみで進行していく。

そのことに鑑賞後に気づくくらい、私はこの映画の世界観に没頭していた。

基本的に曇りや雨といったどんよりした天気が続いていくが、最後のシーンだけ晴れている。部屋で進行していく日々の中で、窓から見える空の様子が、どれだけ映画や彼に強い影響を与えていたのかが読み取れた。

チャーリーのお世話をする看護師、チャーリーの娘、宣教師、元妻、宅配ピザ屋さんが主な登場人物だが、全員人間味溢れる芝居で視聴者に訴えかける。

誰かを気にかけ、そして人を救うことできると劇中でもあったように、宅配ピザのお兄さんとチャーリーは玄関のドア越しのやりとりしかしてないが、名前を名乗ったりコミュニケーションを取ったりなどをしていくのは、ピザ屋さんがチャーリーを気にかけていたからだと感じた。

看護師リズの献身的な世話も、チャーリーを大切に思っているから。

孤独に感じていても、そうして気にかける人がいることが彼にとっての救いに思った。

ブレンダンは巨体の特殊メイクに毎回4時間かけて挑んだ今作。A24の公式インスタグラムには、タイムラプスでメイクの様子の動画がアップされている。

今年度のオスカーではヘアメイクアップ賞と主演男優賞を獲得したが、動画で観たすごい技術と、ブレンダンの哀愁と鬼気迫るお芝居で、この作品以外でこの二冠は絶対にありえないことだと確信した。

それぞれの最高峰の技術が集結した今作、ぜひ劇場で体感してもらいたい。

まとめ

大切な人を失ってできた心の隙間を、食べ物で埋めていたチャーリーだが、それが食べ物だったりそうじゃなかったりするだけで、どんな小さなものでも私たちは同じだと思った。

日々受ける様々なストレスや心の隙間を私たちは何かで埋めている。この作品でチャーリーが全身全霊で放った言葉や心は、今後の私たちに大きく影響を与えていって欲しいと強く思った

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