香港映画「 七人樂隊 」考察レビュー

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七人樂隊
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管理人
今回は、ペンネーム@ayahhiさんからの投稿レビューです。

香港を代表する監督7人がそれぞれの彩りで紡ぐ、失われゆく、かの地の自由を想像して切なくなるオムニバス作品。

画像の引用元:IMdb公式サイトより
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目次

七人樂隊

©︎七人樂隊
©︎七人樂隊

あらすじ

1950年代〜未来が、35mmフィルムで撮影され繰り広げられる7つの物語。ジョニー・トー監督の呼びかけによりサモ・ハン、アン・ホイ、パトリック・タム、ユエン・ウーピン、リンゴ・ラム 、ツイ・ハークが集結。

公開日

2022年10月7日

原題

Septet: The Story of Hong Kong

上映時間

111分

キャスト

  • サモ・ハン アン・ホイ パトリック・タム(監督)
  • ティミー・ハン
  • フランシス・ン
  • サイア・マ
  • ジェニファー・ユー

予告編

公式サイト

七人樂隊

作品評価

  • 映像
  • 脚本
  • キャスト
  • 音楽
  • リピート度
  • グロ度
  • 総合評価

考察レビュー

七人樂隊
©︎七人樂隊

好きだった点

香港という土地が持つ色を豊かに描いていた点です。

7人の監督が、それぞれ1作を持ち寄るという形に好感が持てます。

鑑賞前は「 7作品というのはいささか多いのではないか?」と思っていましたが、どの作品にも短時間ながら愛着が持てます。

テンポの良さや作品のバラエティの豊かさに魅せられ、あっという間の2時間でした。

考察レビュー

中国であり、中国でないという微妙な立ち位置、歴史、背景をもつ香港。

中国当局に対する大規模なデモのニュースも記憶に新しいところですが、結果的にデモは弾圧され、いまでは言論の自由もかなり制限されているとのこと。

以前の香港と、現在の香港では見た目は同じでも、空気が変わってしまったといいます。

こうした映画等のカルチャーも国家の検閲を受ける対象となり、その表現ののびやかさは徐々に過去のものになりつつあるのが現実です。

そうした事実はとてもいたたまれない。

文化や表現といった、いわば人生の喜びといえるものが、政治的背景に追いやられてしまうことのむごさには、ただただ理不尽な気持ちになります。

今作では、イギリス、カナダ、アメリカといった欧米諸国への旅立ちや行き来が盛んに描かれます。

そうした世界に対して開かれた土地だからこそ、発展し、多国籍感あふれる味わい深い文化を生み出してきたであろう香港。

しかし、今後はそうした海外との繋がりも恐らくは制限されていくのかと思うと、非常に切ない気持ちになります。

こうした文化の抑圧は、世界のいたるところで繰り返されてきたことです。

かつての戦時中の日本もそうでした。

そして現代の日本もまた、いつそんな状況になるともしれない瀬戸際のような雰囲気を漂わせています。

決して他人事ではない香港の事情。

描かれる香港が魅力的なだけに、そのやりきれなさと、危機感を否応なしに感じました。

まとめ

七人樂隊
©︎七人樂隊

映画の中で描かれる香港は、懐かしく、たおやかで、自由で、優しいとても魅力的な都市です。

本来の香港をとらえる監督たちのまなざしを感じる、記憶に残る作品です。

七人樂隊

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