永遠の映画少年である園子温の、神をも恐れぬハリウッドデビュー作。
今作はまさにに少年心たっぷりで、ハリウッドに強烈なパンチをかました問題作です。
ニコラス・ケイジと園子温の融合は、どのような化学反応を起こしたのでしょうか。
プリズナーズ・オブ・ゴーストランド

あらすじ
悪名高き銀行強盗・ヒーロー。彼は裏社会のボスが牛耳るサムライタウンで捕まってしまう。そして、ボスのもとから逃げ出した女性を連れ戻すよう命じられ、彼女を探すべく謎に満ちたゴーストランドという町に足を踏み入れる。
公開日
2021年10月8日
原題
Prisoners of the Ghostland
上映時間
105分
キャスト
- 園子温(監督)
- ニコラス・ケイジ
- ソフィア・ブテラ
- ビル・モーズリー
予告編
公式サイト
考察・感想レビュー

ニコレス・ケイジに似ていると言われることが、たまにあり(たぶん髪の毛が)、ファンというよりは気になる俳優の1人です。
私生活においては5度目の結婚(前回は酔った勢いで結婚し4日で離婚とか)、日本人の新妻は作中にマネキン姿で登場。
最近の映画でも、ニコケイは、「 オレの獲物はビンラディン(2017年)」でトンデモ役を演じたり、公私ともになかなかの奇人ぶりを発揮しています。
ニコケイファンの方ごめんなさい(笑)
ニコケイが来日した時は、園子温本人を前に、監督のお気に入り作品は「 アンチポルノ(2017年)」ですと、マニアックぶりを隠しませんでした。
園子温は、小学校に全裸で登校したり、アメリカでホームレスになったり、ロサンゼルスで3Dパンチラアクション映画の企画をプレゼンしたりと。
これは却下され、その反動で「 愛のむきだし(2009年)」を製作。
まさに変人そのものですね(褒めことば)
その2人が化学反応を起こしたのが今作。
変な映画にならないはずがない(笑)
以前のハリウッド映画に浸透した歪んだJAPAN像(「 ワイルド・スピードX3(2006年)」他)をあえて前面に出しつつ、ウエスタンワールドと融合させています。
まるで東の園と、西のニコケイの邂逅のように。
フンドシ姿で囚われ、公衆の場で着替えをさせられ、ママチャリで荒野を突っ走り、なんちゃってガンツスーツの暴発によりニコケイがイッコケイになり。
タランティーノでさえ躊躇しそうなことを、やりたい放題しています。
やり過ぎ!ニコケイになんてことをさせるのか!との声も聞こえてきます。
だが、しかし!
自称ニコケイ似(ごめんなさい)、にわか園子温ファンの自分としては、監督持ち前のエログロスプラッター描写が控えめだったように映りました。
念願のハリウッドで、もっともっと暴れて欲しかったです。
たとえ、世界を敵にまわしたとしても。
まとめ

園子温のハリウッドへのパンチは、様子見のジャブだったのかもしれません。
今後の作品で強烈なアッパーカット、いや痛快な反則技を期待しています。