ラスト・オブ・モヒカン(1992)

原題(英題)
The Last of The Mohicans
公開日
1993年3月13日
上映時間
112分
キャスト
- マイケル・マン(監督)
- ダニエル・デイ=ルイス
- マデリーン・ストウ
- ジョディ・メイ
- ラッセル・ミーンズ
- スティーブン・ウェディントン
- エリック・シュウェイグ
- ピート・ポスルスウェイト
- パトリス・シェロー
- ウェス・スチュディ
- コルム・ミーニイ
コメント
テレビ映画「 メイド・イン・L.A. 」(1989)を挟み、マイケル・マンが劇場映画監督に復帰した作品。
ジェームズ・フェニモア・クーパーの小説「 モヒカン族の最後 」を原作としている。
18世紀、イギリスとフランスがアメリカで戦ったフレンチ・インディアン戦争が時代背景。
白人ながら養子としてモヒカン族の戦士となったホークアイ / ナサニエル・ポー(ダニエル・デイ=ルイス)のロマンス、戦いが描かれる。
現代劇がメインのマイケル・マンにはめずらしい時代物だが、本作もリアルな描写がいかにも彼らしい作品である。
アカデミー主演男優賞を3度受賞しているダニエル・デイ=ルイスは” やりすぎなりきり俳優 “として有名だが、本作では6ヶ月間にわたって野営や釣りを行い、獣の皮の剥ぎ方などのサバイバル術を習得。
最終的には自分でカヌーを作れるまでになったという役作りのエピソードが残っている。
トレヴァー・ジョーンズとランディ・エデルマンの情感溢れる音楽は、ゴールデングローブ賞の候補になっている。
批評的に成功し、マイケル・マンは映画監督として評価を上げた。
ヒート(1995)

原題(英題)
Heat
公開日
1996年5月25日
上映時間
171分
キャスト
- マイケル・マン(監督)
- アル・パチーノ
- ロバート・デ・ニーロ
- バル・キルマー
- トム・サイズモア
- ダイアン・ベノーラ
- エイミー・ブレネマン
- アシュレイ・ジャッド
- ミケルティ・ウィリアムソン
- ウェス・スチュディ
- テッド・レビン
- ジョン・ボイト
コメント
マイケル・マンの代表作として根強い人気を誇る1本。
イタリア系の二大スター、アル・パチーノとロバート・デ・ニーロがそれぞれ凄腕の刑事と犯罪者に扮し、静かながらも熱い戦いを繰り広げる。
内容は、自身が監督したテレビ映画「 メイド・イン・L.A. 」のリメイクだが、芸風はデビュー作の「 ザ・クラッカー 真夜中のアウトロー 」のアップデート版ともいうべきもので、
クライマックスのオフィス街での銃撃戦は、銃声が音楽を奏でるコンバットシューティングの金字塔とも言うべきものである。
M733コマンドーとIMIガリルで重武装した強盗団が、警察の数と連携に押し込まれていく「 物語 」を極端に少ない台詞で描いた演出は圧巻である。
このようにアクションで物語を描いた作品として、「 プライベート・ライアン 」(1998)冒頭のノルマンディー上陸シーンと、本作のオフィス街での銃撃戦は双璧をなす存在だろう。
待望のパチーノ×デ・ニーロが対面するシーンのやり取りもフロイト的な要素を交えていて渋い。
パチーノ演じるヴィンセント・ハナ刑事は、マンのデビュー作からアドバイザーとして関わっているチャック・アダムソン、デ・ニーロ演じるニール・マッコーリーはアダムソンが刑事時代に実際に捜査した同名の犯罪者がモデルになっている。
上映時間171分にも及ぶ長尺作品ながら、興行的にも批評的にも成功した。
インサイダー(1999)

原題(英題)
The Insider
公開日
2000年5月27日
上映時間
158分
キャスト
- マイケル・マン(監督)
- アル・パチーノ
- ラッセル・クロウ
- クリストファー・プラマー
- ダイアン・ベノーラ
- フィリップ・ベイカー・ホール
- リンゼイ・クローズ
- デビ・メイザー
- スティーブン・トボロウスキー
- コルム・フィオール
- ブルース・マッギル
- ジーナ・ガーション
- マイケル・ガンボン
- リップ・トーン
- リン・シグペン
- ハリー・ケイト・アイゼンバーグ
- マイケル・ポール・チャン
- リンダ・ハート
- ロバート・ハーパー
- ネストール・セラノ
- ピート・ハミル
- ウィングス・ハウザー
- クリフ・カーティス
- ジャック・パラディーノ
- ワンダ・デ・ジーザス
コメント
アメリカのたばこ産業の不正を告発したテレビプロデューサーと、内部告発した大手たばこ会社副社長を描いた社会派ドラマ。
実話が元になっており、プロデューサーが所属する「 CBS 」もタバコ会社の「 B&W 」も実在の企業である。
アクション満載だった「 ラスト・オブ・モヒカン 」「 ヒート 」から一転し、ジャーナリズムに主眼を置いた作品。
テレビプロデューサーを演じたアル・パチーノは前作に引き続きのダブル主演の一角である。
マイケル・マンらしい青みがった映像と、引き締まった画面構成がシリアスな情緒を盛り立てる。
硬派で地味な内容だが決して退屈ではなく、マイケル・マンとアカデミー賞候補6回/受賞1回の実績を誇る名脚本家・エリック・ロスの脚本の技が光る。
無冠に終わったが、アカデミー賞で作品賞を含む7部門の候補になった。
マイケル・マン自身も作品賞、監督賞、脚本賞の3部門で候補になっている。
ALI アリ(2001)

原題(英題)
Ali
公開日
2002年5月25日
上映時間
157分
キャスト
- マイケル・マン(監督)
- ウィル・スミス
- ロン・シルバー
- ジェイダ・ピンケット=スミス
- ポール・ロドリゲス
- ジェイミー・フォックス
- ジェフリー・ライト
- ジョン・ボイト
- マリオ・バン・ピーブルズ
- ミケルティ・ウィリアムソン
- ノーナ・M・ゲイ
- マイケル・ミシェル
- ジョー・モートン
- バリー・シャバカ・ヘンリー
- ジャンカルロ・エスポジート
- レバー・バートン
- アルバート・ホール
コメント
「 インサイダー 」に続きこちらも実話の映画化。
プロデューサーと会社の副社長という裏方を主人公にした前作に対し、今度は世界一有名なボクサーの一人であろうモハメド・アリの半生を描いている。
物語は、モハメド・アリがまだカシアス・クレイを名乗っていた頃から始まる。
アリが敬愛していた活動家のマルコムXの関係、徴兵拒否を巡る裁判、人種差別問題など劇的な彼の半生が描かれる。
前作に続き、批評的に成功し、アリを演じたウィル・スミスは自身初となるアカデミー賞候補(主演男優賞)になった。
本作では実生活のパートナー、ジェイダ・コレン・ピンケット・スミス(作品公開前の1997年に結婚)と共演している。
無冠に終わったものの、アカデミー賞では主演男優賞を含む3部門の候補になっている。
コラテラル(2004)

原題(英題)
Collateral
公開日
2004年10月30日
上映時間
120分
キャスト
- マイケル・マン(監督)
- トム・クルーズ
- ジェイミー・フォックス
- ジェイダ・ピンケット=スミス
- マーク・ラファロ
- ピーター・バーグ
- ブルース・マッギル
- イルマ・P・ホール
- バリー・シャバカ・ヘンリー
- ハビエル・バルデム
- ジェイソン・ステイサム
コメント
トム・クルーズが冷酷な殺し屋に扮した、いかにもらしいサスペンス。
ジェイミー・フォックス演じる平凡なタクシー運転手が殺し屋を乗せてしまったことで巻き込まれる(コラテラル)悪夢のような一連の出来事を描いている。
本作は「 ヒート 」を思わせる、コンバットシューティングが再び描かれている。
トム・クルーズ演じる殺し屋のヴィンセントは重火器を持たず、ハンドガン一丁しか装備していない。
アサルトライフルが弾丸をまき散らした「 ヒート 」に対し、ヴィンセントの操るH&K USPは無駄な弾丸を発射せず、最小限度の動きで標的を始末していく。
トム・クルーズはかなりの入れ込みようで、撮影に際して実弾射撃訓練を積んでいる。
出演者で注目されたのは共演のジェイミー・フォックスの方で、アカデミー賞の最優秀助演男優賞候補になった。
ジェイミー・フォックスは同年に「 Ray レイ 」(2004)で主演男優賞を受賞しており、同年のアカデミー賞演技部門は
彼の独壇場だった。
マイケル・マンにとって今のところ最大のヒット作でもある。