【 完全網羅 】マイケル・マン監督映画作品まとめ

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今回は、硬派な作風で知られるベテラン監督、マイケル・マンのフィルモグラフィーを改めて振り返っていく。

目次

マイケル・マンとは

1943年、アメリカ合衆国・イリノイ州シカゴ出身。

ロンドン・インターナショナル・フィルム・スクールで学んだあと、CM・テレビの脚本家、ディレクターなどで経験を積み、1981年に「 ザ・クラッカー 真夜中のアウトロー 」(1981)で長編映画監督デビューを果たす。

また、先立ってテレビ映画「 ジェリコ・マイル/獄中のランナー 」(1979)で監督デビューしている。

テレビの演出や脚本の仕事を挟みつつコンスタントに映画を製作し続け、「 インサイダー 」(1999)で自身初のアカデミー賞最優秀監督賞候補を経験する。

また、その間、製作を務めたTVシリーズ「 特捜刑事マイアミ・バイス 」(1984-1989)は人気シリーズになった。

のちにマイケル・マン自身の手により映画としてリメイクされている。

その後もテレビと映画の両輪で活躍しており、近年は大々的な東京ロケで話題になった「 TOKYO VICE 」(2022-2024)で製作総指揮と第1シーズン第1話の監督を担当している。

マイケル・マン作品一覧

マイケル・マンの全作品は以下の通り。

  • ザ・クラッカー 真夜中のアウトロー(1981)
  • ザ・キープ(1983)
  • 刑事グラハム 凍りついた欲望(1986)
  • ラスト・オブ・モヒカン(1992)
  • ヒート(1995)
  • インサイダー(1999)
  • ALI アリ(2001)
  • コラテラル(2004)
  • マイアミ・バイス(2006)
  • パブリック・エネミーズ(2009)
  • ブラックハット(2015)
  • フェラーリ(2023)

ザ・クラッカー 真夜中のアウトロー(1981)

©Thief

原題(英題)

Thief

公開日

1981年6月

上映時間

122分

キャスト

  • マイケル・マン(監督)
  • ジェームズ・カーン
  • チューズデイ・ウェルド
  • ジェームズ・ベルーシ
  • トム・シニョレッリ
  • デニス・ファリナ
  • ウィリアム・L・ピーターセン
  • ウィリー・ネルソン
  • ロバート・プロスキー

コメント

記念すべきマイケル・マン監督の劇場長編映画デビュー作。

一匹狼の凄腕金庫破り(ジェームズ・カーン)が結婚して足を洗おうとするが、彼を利用しようとする犯罪組織のボスは次々と卑劣な罠を仕掛けてくる…という硬派なサスペンスである。

ジェームズ・カーン演じるプロの金庫破り・フランクを主人公としているが、主人公の手口がリアルかつ鮮やかで、クライマックスにはボスに反逆したフランクがハンドガン一丁で見事なアクションを見せる。

このシーンはコンバットシューティング(現代の実践的射撃技術)の手法に忠実で、武器もコルトガバメントのカスタム、ジム・ホーグ ロングスライドカスタムという実戦的な渋いチョイスをしている。

リアルな描写に貢献したのは本作のアドバイザーで元シカゴ市警警察官のチャック・アダムソン。

彼はその後もマイケル・マンと継続的に仕事をすることになる。

スローモーションを使った青みがかった映像もスタイリッシュで美しい。

犯罪者のリアルな実戦的メソッドの描写は、大ヒットした「 ヒート 」など、マイケル・マン監督の後続の作品でも見られる。

デビュー作でありながらその芸風が既に確立されていることが分かる。

ザ・キープ(1983)

©The Keep

原題(英題)

The Keep

公開日

1984年

上映時間

93分

キャスト

  • マイケル・マン(監督)
  • スコット・グレン
  • イアン・マッケラン
  • アルバータ・ワトソン
  • ユルゲン・プロフノウ
  • ロバート・プロスキー
  • ガブリエル・バーン

コメント

リアルな社会派作品・犯罪ものサスペンスを主に手掛けてきたマイケル・マン監督のフィルモグラフィーでもめずらしいオカルトホラー作品。

フランシス・ポール・ウィルソンの小説「 城塞 」を原作としている。

第2次世界大戦下の1941年、ルーマニアのトランシルヴァニアを舞台に、善の力と魔物の戦いを描くオカルトホラーサスペンスである。

オカルトホラーに硬派なマイケル・マン監督というのが意外な人選だが、これはオカルトホラーの名作「 エクソシスト 」(1973)を思わせる。

同作を手掛けたウィリアム・フリードキンは、麻薬戦争を描いた社会派サスペンス「 フレンチ・コネクション 」(1971)で評価を上げた監督である。

「 エクソシスト 」も善と悪の戦いを描いた硬派なサスペンスの要素があり、本作と重なる部分が多い。

マイケル・マンはいつも通りのキリッとしまった画面構成で硬派な持ち味を発揮している。

優秀なSF、ファンタジー、ホラー作品に授与されるサターン賞のホラー映画賞にノミネートされた。

刑事グラハム 凍りついた欲望(1986)

©Manhunter

原題(英題)

Manhunter

公開日

1988年10月15日

上映時間

120分

キャスト

  • マイケル・マン(監督)
  • ウィリアム・L・ピーターセン
  • キム・グライスト
  • トム・ヌーナン
  • ジョーン・アレン
  • ブライアン・コックス
  • デニス・ファリナ
  • スティーブン・ラング

コメント

トマス・ハリスによるベストセラー小説、ハンニバル・レクター3部作の初の映像化作品。

シリーズ1作目の「 レッド・ドラゴン 」を原作としている。

アンソニー・ホプキンスのイメージが強いレクター博士だが、本作が映像作品初登場。

その後、違う俳優によって何度も演じられることになるが、本作のブライアン・コックスが初代ということになる。

のちにレクター博士の登場作はビッグタイトル化していくが、本作はヒットしなかった。

内容はマイケル・マンらしい硬派なサスペンスで、のちのリメイク版よりもレクター博士の存在感が薄く、そのため「 羊たちの沈黙 」(1991)のようなサイコホラー風味も薄い。

マイケル・マンらしい硬派なサスペンス風になっている。

地味すぎたためかヒットせず、映画史に残る人気キャラクターの初登場は意外にも地味な結果に終わった。

主役のウィル・グレアム捜査官を演じたウィリアム・L・ピーターセンは、のちに大ヒット長寿テレビシリーズ「 CSI:科学捜査班 」とそのフランチャイズ作品で長きにわたって活躍することになる。

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「 ハンニバル 」シリーズはこの順番で見るべし

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