「 ペイン・アンド・グローリー 」考察レビュー、アントニオ・バンデラスの演技に注目せよ

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ペイン・アンド・グローリー
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映画ライフ楽しんでますか?

今回は、ペンネーム(@スッポン)さんからの投稿レビューです。

↓ ↓ ↓ ↓

皆さん、老いるって怖いですか?

僕は怖かったです。

心も体も若いころのように動かせなくなっていくなんて。

でも、どうやら恐れる必要なんてないみたい。

今作は「 老い 」を前向きに描いています。

元カリスマ映画監督のおじいちゃんが過去のトラウマと向き合うことにより、アーティストとして再生していくというお話。

いやあ、こんな老後送ってみたいです。

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画像の引用元:IMDb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)

目次

ペイン・アンド・グローリー

ペイン・アンド・グローリー
©︎ペイン・アンド・グローリー

公開日

2020年6月19日

上映時間

113

キャスト

  • ペドロ・アルモドバル(監督)
  • アントニオ・バンデラス
  • アシエル・エチェアンディア
  • レオナルド・スバラーリャ
  • ペネロペ・クルス

予告編

公式サイト

ペイン・アンド・グローリー

感想レビュー

ペイン・アンド・グローリー
©︎ペイン・アンド・グローリー

好きだった点

人間の熟成ってすごいなと感じさせる点。

そう感じた理由は、作風がいつになくポップで見やすくなっているからです。

年齢もキャリアも熟してきた結果、最低限のアルモドバルらしさで濃い味に作り上げる円熟のスキルを見せてきたように感じます。

昔からこの監督を見てる人ほどそう感じるのでは?

イメージで言うと新海誠が急に「 君の名は 」作ってきたような。

オスカー獲得歴もあるスペインの巨匠、ペドロ・アルモドバル監督。

先に触れた2作を含め、静かな情熱を燃やすような、怖い作品が過去に多かったです。

それが今作は急激に見やすく、入りやすい作品になっていてビックリです。

もちろんこれはいい意味。

エッセンスは確実に過去と同じように散りばめられたまま、肩肘張らない最低限の所作でアルモドバルらしさを表現しているように感じられます。

大学の授業で習った「 禅 」の話を思い出しましたね。

優れた武士や、利久のような茶人も極めるごとに脱力しシンプルになっていく。

芸事の極みに近づくと皆そうなるのではないでしょうか?

今作がアルモドバルの集大成と呼ばれるわけも納得。

その「 老い 」による変化を見事に演じたアントニオ・バンデラスの演技は凄かった。

バンデラス結構イカツい顔してません?

この人が演じる爺ちゃんってイーストウッドみたいになるように思えるかもしれません。

アルモドバル監督は過去に自分を投影させたであろう、映画監督が主人公の映画を2本撮っています。

「 今作はそれらと合わせた三部作の三作目 」と明言しているんですよね。

そう考えれば、主人公役の演技というのは監督の意図を表すのにとても重要です。

元カリスマで無気力な老後というシチュエーションは、カリスマても老人でもない私たちにもよく伝わってきてきました。

ほんと簡単に入り込めます。

ちなみにバンデラスは、今作でアカデミー賞主演男優賞ノミネート。

嫌いなところ

ストーリー進行がものすごくスムーズで、滞りなく流れるように進んでいきます。

ただ、流れるスピードは下流のゆったりした感じなんですよね。

静かに進むので緊迫感や激しさはなく、それを楽しむ集中力は必要なのかもしれません。

特に中盤は会話劇が殆どなので、疲れてる時は眠たくなってしまうかも

見どころ

オチがめちゃくちゃ綺麗だった点。

登場する小道具や衣装は、ペドロ・アルモドバル監督の私物を使用。

流石はアートの世界で一線を張っていた監督だけあって、めちゃめちゃオシャレです。

視覚的に楽しめる作品なのですが、それが、まさか、そんな伏線になろうとは。

まとめ

ペイン・アンド・グローリー
©︎ペイン・アンド・グローリー

全てのヒントは人生の中に。

老後は、ゆったりと人生の振り返りをするのに非常に濃密な時間なのかもしれません。

是非ペドロ・アルモドバル監督の過去作品も見て欲しいです!

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