こんにちは、Johnです。
映画ライフ楽しんでますか?
今回は、ペンネーム(@ようすけ)さんからの投稿レビューです。
現在コロナの影響もあり、街の小さな映画館、名画座がコロナの収束時には姿を消してしまうなんてことも起こりかねません。
ですから、十二分に体調管理、感染予防の元、どうか平日にでも映画館に特に小さな映画館に足を運んでいただきたい!
そんな思いから今日は現在シネコンでは上映のない「 コロンバス 」を紹介します。
巨匠の映画や建築に多くの影響を受けた作品でして、このレビューを通して他作品にも興味を持ってもらい、少しで自宅自粛に華を添えられたらと思います!
画像の引用元:IMDb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)
コロンバス(作品情報)
Columbus
公開日
2020年3月14日
上映時間
103分
キャスト
- コゴナダ(監督・脚本・編集)
- ジョン・チョー(『 search / サーチ 』)
- ヘイリー・ルー・リチャードソン(『 スプリット 』)
- ロリー・カルキン(『 サイン 』)
予告編
公式サイト
ネタバレ・感想レビュー
コゴナダ監督は、これが処女作の韓国系アメリカ人監督で自身のウェブサイトに“ムービー・エッセイ”(http://kogonada.com/)を挙げています。
それを見たところどうやらキューブリックやウェス・アンダーソン、日本からは小津安二郎に影響を受けているよう。(コゴナダは小津映画常連の脚本家である野田高悟にちなんでいるそう)
舞台となっているコロンバスはモダニズム建築にあふれ、そのどれもが今見てもどこか近未来を感じさせる。
物語のほとんどがそういった建造物の下で進んでいくためどのカットを切り取ってもとても洗練されており、それだけでも映画としても楽しめるものとなっていると思います。
しかし、この映画はただの芸術志向というわけではありません。
これは建造物を通して、薬物依存症だった母を持つ少女と、これまで仕事一筋で突然意識不明となった父とがこの先どうしていくべきなのかについて考える家族についての作品となっています。
好きだった点
これはやはり、コロンバスのモダニズム建築の数々でしょう。
決して最先端の建造物ではないながらも無機的でシンプルなそれらの佇まいには、ケイシーだけでなく見る人の誰もが心をつかまれているようでした。
嫌いだった点
上映時間も1時間40分ほどなのですが、建物、それから街並みを見せようとするシーンが多いのもあってなのか、少し間延びしたように感じられる場面も多少見られたのが心残りでしょうか。
見どころ
今作は先述の“ムービー・エッセイ”を見てから鑑賞すると「 ここは○○作品っぽいな!」と発見をしながら鑑賞できるので非常におすすめです!
逆に今作を見てからキューブリック、ゴダール、ヒッチコック、小津といった巨匠作品に触れてみるのも楽しいのかもしれません!
私が今作を通じて小津安二郎を感じたのは、部屋と人物を定点で映し出すカットでした。
考察・疑問点
ケイシー(ヘイリー・ルー・リチャードソン)は夢のために泣く泣く母親の元から離れ、ジン(ジョン・チョー)は病床に伏せる父のために、父の存在を億劫に思います。
回復しなくてもいいとすら考えながらもこの地に残ることになる、という対照的な結末を迎えるところが面白い作品でした。
主人公ケイシーとジン、2人の人生のうち一瞬だけ交わりそれぞれ別の人生を歩み始める様子は、まるで反対方向へと向かう列車が一瞬だけ同じ駅に停車し、またそれぞれ逆方向に進んでいくかのようでもあります。
しかし、その進んだ先が決して希望に満ち溢れているわけではない点が今作をより考えさせるポイントとなっています。
コゴナダ監督は小津の「 一人息子 」からケイシーとジンの子どもとしての負担について「 人生の悲劇の第一幕は親子になったことに始まっている 」という引用句を用いて語っています。
なんとなく全体が明るく公式サイトを見てもほんのりする作品かな?
と思っていましたが、コゴナダ監督は今作を悲劇として描いたのかもしれません。
ツイッターの声
『コロンバス』
画面が全て絵画のようで、美しい映像。
コピー通り、小津安二郎を思わせる水平垂直が整った風景を、悩む人たちが通り過ぎていく。
モダニズム建築、一面ガラスの銀行、アシンメトリーでありながらバランスの整った建物、美しい図書館、緑、緑、緑。去る人、留まる人。いい映画だった。 pic.twitter.com/kGJuSSY3b1— フラミンゴブルー (@f_blue8) March 29, 2020
大阪アジアン映画祭で観た『コロンバス』が2年の時を経て全国公開されているというのに劇場で鑑賞できないもどかしさ🤷🏻♀️ pic.twitter.com/NbR1mIGelC
— みキしい (@mkc_z6) April 2, 2020
今年はこれまでに24本の映画を劇場で鑑賞してるけど、自分のなかでは『コロンバス』が暫定1位。何しろ104分間のなかで適当に撮っているカットがひとつもない。 #コロンバス pic.twitter.com/N9WKA33PxB
— みりん (@milinfeng) April 2, 2020
コロンバス
静かな会話劇。こもった振動でリズムやメロディーが伝わる音楽。建築の冷たさと暖かさの両面とそれに魅せられる人と無関心な人の両方の存在を上手くつなぎ合わせてかつ孤独が美しい映画。— milktea+ (@IRobamimi) April 1, 2020
コロンバスとても品のある映画だった
— Yukiyo Matsushita (@Yukiyobrightcod) April 2, 2020
コゴナダ『コロンバス』を映画館で観た。これだけ特徴的な建築物が並ぶと僕達の住む時空から少しずれた別の小宇宙の物語という感覚があって。でもそこで暮らす人々は僕達と同様に喜びや苦悩を確かに持ち合わせていて。だからその小宇宙から飛び出すには相当の覚悟が要ることがひしひしと伝わってきて。
— facovunne07 (@facovunne07) April 2, 2020
渋谷のイメージフォーラムで上映中の映画『コロンバス』観た。予告編の映像の構図がいいなあというだけの理由で見に行ったけど大当たりでした。 #コロンバス pic.twitter.com/Bni7qE3NhL
— みりん (@milinfeng) April 1, 2020
#nomad映画:49 「コロンバス」
at ヒューマントラストシネマ渋谷 3/26普段は気づかない。そんなことって多々あると思う。
離れて、気づいた。失って分かった。
ぼんやり眺めていたら、何かを感じた。些細なことから、日常は変わるのかも。
映画を観る・見ることもそのきっかけになるのかもね pic.twitter.com/gbeA1pb0uK
— ℕøℳªÐ (@AebekoNomad) March 30, 2020
Youtube
Youtubeは1000人超えましたので、本格化させていきます。
是非チャンネル登録お願いしますベリーマッチ。
公式LINE
今年から公式LINEを始めました。
主な配信内容は下記の通り。
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まとめ
漠然とした不安を抱えながらもパステル色の画面の中で淡々と日々が過ぎていくこの漢字は「 パターソン 」を見た時の感覚に近いと感じました。
俗世に取り残されて穏やかな空気感が漂ってる点もそっくりかと。
個人的には主人公の1人であるケイシーがかなり好きなキャラクターでした。
勤勉で家族思いのいい子なんですほんとに。
ぼろっぼろのHondaにのり未だにガラケーを使っているのですが、そんなところにも「 家庭事情を気にして我慢してるのかな 」と勝手に想像して泣けてきます。
あえて言うなら「 レディ・バード 」の主人公クリスティンの真逆を行く感じですね(笑)
コゴナダ監督は、コリン・ファレル主演で新作映画を製作中とのこと。
完