伊坂幸太郎とブラッド・ピットのファンなので、観る前から鼻血が出そうでした。
期待の反面、不安もありました。
この記事では、本作の魅力について書きます。
ブレット・トレイン
あらすじ
とにかく運の悪い殺し屋レディバグ。彼は依頼人のマリアからブリーフケースを盗むだけの簡単な仕事を請け負い、東京発・京都行の超高速列車・ゆかり号に乗り込む。
公開日
2022年9月1日
原題
Bullet Train
上映時間
126分
キャスト
- デビッド・リーチ(監督)
- ブラッド・ピット
- ジョーイ・キング
- アーロン・テイラー=ジョンソン
- ブライアン・タイリー・ヘンリー
- アンドリュー・小路
- 真田広之
- マイケル・シャノン
- バッド・バニー
- ザジー・ビーツ
- ローガン・ラーマン
- 福原かれん
- サンドラ・ブロック
予告編
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
考察レビュー
原作の「 マリアビートル 」の実写再現としてでなく、キャラや設定を大胆に変更している点が、むしろ吉と出ていました。
キャラの濃すぎる殺し屋たちが、それぞれの特性が活かされていました。
中途半端に拝借するのではなく、過剰なまでに演出することで、「 ワイルド・スピード(2001) 」や「 キル・ビル(2003) 」や「 ジョン・ウィック(2014) 」のような派手なアクションを楽しめました。
伊坂幸太郎の得意技でもある、広げた伏線を回収する手法は、タランティーノ風の脚本に仕上がっているようで、良かったです。
登場人物(?)のミネラルウォーターが、「 上を向いて歩こう 」の音楽とともに、愉快な演出を果たしていて、少し伊坂イズムを感じました。
また原作では「 グラスホッパー(2015) 」の7~8年後の続編という設定だったので、前作の主人公・鈴木がカメオ出演しないかと期待していたのですが、
登場しませんでした。その代わり、二回目の鑑賞時に冒頭の(トンデモ)東京のネオン看板に「 すずき 」という文字を見つけたので、満足。
ネオン風の文字看板制作なら ラボリ
トンデモ日本描写も一周回って、潔くて好きでした。もはや豪華なギャグ。
悪運に取り憑かれた「 レディバグ(天道虫)」を演じるブラピが物語を牽引したからこそ、2時間の乗車時間が退屈しませんでした。
初鑑賞の1週間後に、原作を再読しながら、2回目の乗車。
細部や、音楽に注目して鑑賞したら2倍楽しめました。
車掌さんが大好きだった長編ドラマ「 HEROES/ヒーローズ(2004) 」のヒロ役(マシ・オカ)だったのが、個人的にツボでした。
オープニングテーマの「 ステイン・アライブ 」はアヴちゃんのカヴァー。奥田民生の「 キルミー・プリティー 」もカッコよかったです。
「 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019)」の作中音楽の使われ方に、似ていて効果的だと感じました。
列車内という密室空間で、映画の魅力が散りばめられていて、2回目も飽きることがなかったです。
まるで、大人のおもちゃ箱(いかがわしい意味でなく)のようでした。
レビュー ❷
ハリウッドがイメージする日本を敢えてリスペクトしている。
笑えるドタバタ劇。
ある意味80年~90年代に多かったハリウッド・コメディの現代版と言える。
伊坂幸太郎の原作小説の“殺し屋シリーズ”の第2弾「 マリア・ビートル 」をハリウッドにて映画化って訳だけど…。
久し振りに、ここまで欧米人がイメージする「 THE日本!」
彼等はソレを「 JAPAN 」と呼称するのだと再認識した。
昨今の海外監督作品で「 ブラックレイン 」の頃からリアルな日本の雰囲気や日本人と社会を出来うるだけ再現しつつあるけど、
例えば福山鞆の浦をメインに撮影した「 ウルヴァリン サムライ 」とかでも、日本刀・ヤクザ・富士山・アキハバラ・ヲタクを描く時は、
妙に外人フィルターを用いた誇張表現を混入してくる。
そもそも、出演する日本人達が在米ジャパニーズやチャイニーズだったりするのが殆ど。
そう言った意味では今回の真田広之は、多くの作品に出演して認知されているし、渡辺謙も重要な配役を得ている。
MCUの「 ソー 」3作に登場した浅野忠信も、またハリウッドに呼ばれて欲しいものだ。
さてさて、我々日本人には突っ込みどころ満載のJAPAN設定をアレルギー的に「 相変わらず日本を知ろうともしないアメリカ人 」と不愉快に思うより、
欧米人に日本文化を理解して貰う為のアプローチを再構築できる興味深さを感じつつも…。
近年、壊滅しつつある日本国と、日本人特有の奥ゆかしさ・曖昧さ・表現手法の文化と歴史を、我々が如何に大切に未来の日本人に継承していくのかを思い知らされる。
超特急新感染「 ゆかり 」に乗車した気分で京都までの旅を満喫してみてはどうだろう。
Bon Voyage!
Buen Viaje!
Have Nice Trip!
カメオ出演は ~ サンドラ・ブロック、チャニング・テイタム、ライアン・レイノルズ。
そうなると、ブラッド・ピットがカメオ出演?「 ザ・ロストシティ 」とセットで楽しもう。
まとめ
翌朝、サントラを聴きながら、ランニングしたら、爽快感が駆け抜けました。
原作と映画、どちらから乗っても問題なし。間違いなく楽しめるでしょう。
スリリングな列車の旅をお楽しみください。