「 ボイリング・ポイント 沸騰 」考察レビュー(全編ワンカットで描かれる)

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ボイリング・ポイント 沸騰
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管理人
今回は、ペンネーム@LEDMAXIさんからの投稿レビューです。

90分ワンカットで描かれる人気レストランのひきこもごも。

最高の集中力をもって挑み、自らがスタッフ支店で鑑賞しよう。

人と人と金の繋がりで成り立つサービス業の艱難辛苦を垣間見る。

画像の引用元:IMdb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)

目次

ボイリング・ポイント 沸騰

ボイリング・ポイント 沸騰
©︎ボイリング・ポイント 沸騰

公開日

2021年7月15日

原題

Boiling Point

上映時間

95分

キャスト

  • フィリップ・バランティーニ(監督)
  • スティーブン・グレアム
  • ジェイソン・フレミング
  • レイ・パンサキ

予告編

公式サイト

ボイリング・ポイント 沸騰

作品評価

  • 映像
  • 脚本
  • キャスト
  • 音楽
  • リピート度
  • グロ度
  • 総合評価

考察レビュー

ボイリング・ポイント 沸騰
©︎ボイリング・ポイント 沸騰

レストランを舞台にした映画は数え上げるのも難しい程に沢山描かれている。

大半の作品は客達や料理人やフロアサービスやオーナーが幸福を求め感じあう、一種のファンタジーとも言える作品が多い。

時にはサスペンスに見舞われるけど、最終的には幸福を感じる作品で、美しく彩られ、湯気を纏った料理のビジュアルにウットリとさせられる。

だがしかし!

サスペンスに特化していく作品は非常に少ない。

反対にサスペンスに特化すると料理そのものに焦点が届かなくなる。

それでも秀作と呼べる作品は2001年公開の「 ディナーラッシュ 」ではなかっただろうか?

僕は今作を観ながら「 ディナーラッシュ 」を思い出してしまった。

でも、今作はクリミナル・サスペンスではなく、時間をかけて濃縮された過ぎたスープが素材の旨味を溢れさせ、沸騰し過ぎて不味い料理になってしまった秀逸なヒューマン・サスペンス。

今作の本質を置き換えれば調理をするのに素材・下拵え・火を通す・味付け・時間・盛付け提供と、食すまでの一連の所作が最初から間違ってしまっている。

冷静に鑑賞すると厨房もフロアも一定基準以上の高い能力を持ったメンバーなんだけれど、多忙さゆえに人と人と金の繋がりが綻びていく。

僕も経験がある。

若い頃に新規サービス事業の責任者だった際、営業責任者ながら教育配置責任者が体調不良で休職。

本部は交代要員を半年送ってこなかった。

約250人の登録派遣者を教育し、約60名の配置管理を行い続けた。

今作同様にスタッフからの要望要求突き上げ、本部からの要求や現場管理で発生する問題の数々。

不慣れなスタッフに調整、スタッフ都合でカオス化していくシフト調整。

帰宅しても、現場でも途切れない携帯の着信。

一切の休日がないままに4ヶ月を過ぎた頃には「 明日 」と言う目先のコントロールしか思考出来ないほど疲労していた。

「 明後日 」を考えられない自分に失望していた。

本作でオーナーシェフのアンディーを中心に多くのスタッフの体力が、精神が沸点寸前だった。

これはフィクションでなくリアルな出来事。

その切迫した切実な切実な瞬間と瞬間を誰が否定非難できようか?

シンプルに「 有名店でも、こんな店で食べたくないな 」って感想なら、あなたはまだまだ幸福なのかもしれない。

まとめ

ボイリング・ポイント 沸騰
©︎ボイリング・ポイント 沸騰

疑似ワンショットは「 1971 命をかけた伝令 」が直近作品である。

完全ワンショットを凄く賞賛しがちだけれど、冷静に思えば、ステージと同等で何度も何度も来る日も来る日もワークショップ(全体練習)を重ねて本番を迎える。

ステージでは音響や照明もミスは許されない。

更にLIVE撮影が入ればカメラもミスれない。

そんな緊張感と集中力を強いられる。

イメージしづらければ「 トップガン:マーヴェリック 」でのGPSマップを利用した仮想コースでの訓練と、本番の経過が今作の撮影スタイルと想定すると分かりやすいかも。

ボイリング・ポイント 沸騰

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