「 アンモナイトの目覚め 」考察レビュー、実力派女優2人に注目

アンモナイトの目覚め

管理人

ペンネーム@藤枝あおいさんからの投稿レビューです。

男性同士の恋愛を描いた映画「 ゴッズ・オウン・カントリー 」(2017)で監督としてデビューを果たしたフランシス・リーの最新作です。

大女優ふたりを主演に迎え、今作では女性同士の恋の結びつきを描いています。

アンモナイトの目覚め

アンモナイトの目覚め

©アンモナイトの目覚め

公開日

202149

原題

ammonite

上映時間

120

キャスト

  • フランシス・リー(監督)
  • ケイト・ウィンスレット
  • シアーシャ・ローナン 

予告編

公式サイト

アンモナイトの目覚め

作品評価

作品評価
映像
(4.0)
脚本
(4.0)
キャスト
(4.0)
音楽(BGM)
(4.0)
リピート度
(3.0)
グロ度
(1.0)
総合評価
(4.0)

アンモナイトの目覚め(感想レビュー)

アンモナイトの目覚め

©アンモナイトの目覚め

好きだった点

ケイト・ウィンスレットと、シアーシャ・ローナンという大女優ふたりの共演に、公開前から楽しみにしていた作品でした。

ふたりのお芝居は期待を裏切らないものだったと言えます。

両者とも、それぞれ過去の作品でラブストーリーを演じた経験はありますが、女性同士の結びつきを描く今作で、これまでにない表情や表現を見ることができました。

特に女性同士の恋愛を描いている観点から、ラブシーンは演者ふたりが話し合って演出を決めたのだとか。

そのことが良かったのか、ふたりが次第に気持ちを寄せ合い心を許す過程で、より役者と登場人物がマッチしていくように感じられました。

嫌いだった点

物語の展開は決して突飛なものではなく、非常にわかりやすいストーリーです。

内容についていけないということはありませんが、ふたりが一度離れ離れになることが決まった場面以降、少し急ぎ足になったように感じられました。

ふたりがゆっくりと距離を縮めていく様子に反して、実際に起こりうることは唐突で残酷なものであるということでしょうか。

別の観点から残念だったのは、日本での劇場公開の規模が小さいことです。

人とのリアルな関わりが薄れている現在において、素直な感情をそのままに表現する登場人物たちの生き様は、より多くの人の目に触れるべき作品のひとつだと思います。

見どころ

作品を見れば、今作のタイトルがなぜ「 アンモナイトの目覚め 」なのか理解できます。

ただただ積み重なった岩のなかから、化石を見つけ出し、そのなかでも貴重なアンモナイトを岩を砕きながら見つけ当てるその過程と、

実在した古生物学者(主人公メアリー)が、自分の本来の姿を目覚めさせる過程に重ね合わせているからです。

メアリーの心情に合わせて、随所にあらわれるアンモナイトを発掘する描写が、丁寧に描かれている様子は今作の見どころのひとつと言えるでしょう。

考察レビュー

大英博物館でのラストシーン。

世界最大の博物館の1つとされる、イギリス・ロンドンの大英博物館での場面が今作のラストシーンとなりました。

夫の元へ戻ったシャーロットに会いにいくため、ロンドンへと出向いたメアリーでしたが、再会と同時にふたりは衝突してしまい・・・。

メアリーは自分の発掘した化石が展示されている大英博物館へと向かったのでした。

そこで描かれた、数多くの絵画を背景にしたワンシーンで、メアリーが額縁にピッタリと当てはまるような場面があります。

感情の赴くままに突き進むシャーロットに対して、メアリーはいつまでも解き放たれないままで、額縁の中に収まったままであることを示唆していたのかもしれません。

その後に続くラストシーンでは、メアリーが採取した化石が展示してあるショウウィンドウを挟んで、シャーロットと見つめ合って終わりました。

ふたりの関係性は、結局どうであったのか?

さまざまな解釈を生むラストでした。

メアリーもシャーロットも実在した人物だそうですが、ふたりが今作のように恋愛関係(あるいは肉体関係)にあったかどうか、詳しいことはわからないようです。

監督のインタビューを読むと、メアリーが誰かと関係を持ったという証拠は残っておらず、生涯独身だったのだとか。

つまり、今作はあくまで物語であり、監督の独自の解釈を元にした作品だということです。

作中でふたりの関係性に明確な結末を見出さなかったのは、こうした背景もあると思われます。

メアリーについて情報が残っていないのは、劇中でも随所でにじみ出ていましたが、19世紀に根付いていた男性優位の社会による影響もあったのかもしれません。

まとめ

アンモナイトの目覚め

©アンモナイトの目覚め

実在したふたりを描いた作品ではありますが、物語は監督の解釈を大いに踏まえたものであり、わたしたち受け手としても自由に考え、解釈して良い作品です。

大女優ふたりのお芝居も存分に楽しめますよ。