「 ボルテスV レガシー 」の映画情報・あらすじ・レビュー

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あなたは「 超電磁マシーン ボルテスV 」を知っているか?

1977年にテレビ朝日系列で放送された、全40話のロボットアニメである。

1978年に英語版としてフィリピンで放送され、絶大な人気を誇る。

約半世紀弱を経過してもフィリピンの方々から愛され続けるボルテスVは、ついに実写化に成功した。

あなたは今! ボルテスVの継承を知ることになるだろう。

目次

ボルテスV レガシー

©Voltes V: Legacy

あらすじ

ある日地球は突然攻撃を受けた。
宇宙のはるか彼方からプリンス・ザルドス率いる“ボアザン帝国”の軍が攻めてきたのだ。
これまでに見たこともない兵器の数々に、地球側の反撃は全く歯が立たない。
その圧倒的な戦況にありながら、プリンス・ザルドスは勝利を確実なものとするため、強力で巨大な戦力である獣型ロボット“ビースト・ファイター”を繰り出した。
その頃、地球の前線基地・ビッグファルコンには、スティーヴ、ビッグ・バート、リトル・ジョンのアームストロング3兄弟とマーク・ゴードン、ジェイミー・ロビンソンの5人が集められていた。
目的を告げられずに訓練に参加させられていた5人は、その時に初めてこれまでの訓練がボアザン星人と戦うためのものだったことを知る。スティーヴたち5人は、3兄弟の母でもあるマリアンヌ博士らの指示のもと、密かに製造されていた5機のマシンに乗り込み出撃した。
クロウ・ブーメランやボンバー・ミサイルといったマシンの武器は、ボアザン星人の兵器を打ち破ることに成功する。
しかし、屈強なビースト・ファイターには歯が立たない。その時にビッグファルコンの司令官・スミス博士から合体するよう指令が下る。「レッツ・ボルトイン!」のかけ声で合体した5機のマシンは、巨大な人型ロボット“ボルテスV”となった。ボルテスVが持つ特殊な超電磁テクノロジーを活かした様々な武器、そして天空剣を握り、スティーヴたちは果敢にビースト・ファイターに挑んでいく。
果たしてボルテス・チームの5人は、地球を守ることができるのか――
(公式サイトより引用)

原題

Voltes V: Legacy

公開日

2024年10月18日

上映時間

97分

予告編

キャスト

  • マーク・A・レイエス(監督)
  • スティーヴ・アームストロング
    (演:ミゲル・タンフェリックス/声:小林千晃)
  • マーク・ゴードン
    (演:ラドソン・フローレス/声:金城大和)
  • ロバート・“ビッグ・バート”・アームストロング
    (演:マット・ロザノ/声:花倉桔道)
  • “リトル・ジョン”・アームストロング
    (演:ラファエル・ランディコ/声:小市眞琴)
  • ジェイミー・ロビンソン
    (演:イザベル・オルテガ/声:中島愛)
  • リチャード・スミス
    (演:アルバート・マルティネス/声:山中誠也)
  • オスカー・ロビンソン
    (演:ガビー・エイゲンマン/声:相樂真太郎)
  • マリアンヌ・アームストロング
    (演:カーラ・アベラナ/声:堀江美都子)
  • プリンス・ザルドス
    (演:マーティン・デル・ロザリオ/声:諏訪部順一)
  • ザンドラ
    (演:リーゼル・ロペス/声:飯田里穂)
  • ドラコ
    (演:カルロ・ゴンザレス/声:樋山雄作)
  • ズール
    (演:エピ・クウィゾン/声:越後屋コースケ)
  • フロスガー(ネッド・アームストロング)
    (演:デニス・トリロ/声:三上哲)

公式サイト

ボルテスV レガシー

作品評価

  • 映像 
  • 脚本 
  • キャスト 
  • 音楽(BGM) 
  • リピート度 
  • グロ度 
  • 総合評価 

ボルテスVとは

©Voltes V: Legacy

ベースとなる日本のロボットアニメ「 超電磁マシーン ボルテスV 」は、前年に放送された「 超電磁ロボ コン・バトラーV 」、

次年度の「 闘将ダイモス 」を担当した長浜忠雄監督の作品で、のちに「 長浜ロマンロボアニメ3部作 」と称される。

ボルテスVの根底には正義と血族と仲間との絆/愛があり、骨子に圧政と差別を強いる者共と、苦しむ民の決起という革命が描かれている。

さらに、特徴として敵側のリーダーを宝塚的な美形キャラクターが務め、男子児童向けのロボットアニメにも関わらず、女子層の支持も集めていた。

メインキャラクターのデザインをした故:聖悠紀の洗練された少女漫画的なデザインの功績とも言える。

フィリピンにとってのボルテスV

1978年からフィリピン国内で放送されるも、時のフェルディナンド・マルコス大統領による独裁政権によって、

「 子どもたちへの悪影響 」を理由に最終話まで4話を残して打ち切られた。

実際はボルテスVの第2のテーマである革命運動の描写が原因と言われている。

マルコス政権を倒したエドゥサ革命(1986)後に最終回まで再放送され、フィリピン国民に絶大な人気を博し、愛され現代に至る。

フィリピンに受け入れられ、愛される理由

1970年代後期、日本のロボットアニメで日本サンライズ(現:サンライズ)が製作に関わる作品は、

単純な勧善懲悪型からイデオロギー型に傾倒していった。

ボルテスVでは、家族の絆や革命、裏切り、民衆の自己中心的な行動が描かれている。

しかし、制作チームが交代したことで、各話の演出を担当していた富野由悠季(当時:とみの喜幸)が「無敵超人ザンボット3」の制作に移ったため、

ボルテスVにおけるイデオロギー的な要素は一見薄れてしまったように見える。

それでも、フィリピンの視聴者にとって、ボルテスVは独裁政権に立ち向かう象徴的な存在となり、

自らの権利を取り戻す過程での喜びや高揚感を感じさせるヒーローだったに違いない。

さらに、フィリピン人は年長者を敬い、母を大切にする女系上位の文化を有している。

だからこそ、主要キャラクターの血族的な系譜もフィリピンで熱く受け入れられる要素なのだろう。

ボルテスV : レガシーとは

今回の劇場版は、フィリピン国内でも全90話からなるドラマ放送開始前に第1,2話をプロモーション的にまとめた番宣総集編と言える。

だからこそ、演出の主軸はボルテスチームの5機のマシンの合体。

ボアザン帝国の生物型巨大兵器ビーストファイターとの肉弾戦。

必殺技の数々をエモーショナルに魅せることに他ならない。

そして、主要キャラクターの定義付けと関係性の紹介。

ボアザン星と地球とボルテスチームの在り方。

そして母と子どもたち、父の行方を意識付ける。

そのためにストーリーとしては雑感が否めないのは致し方なく、今後放送されるドラマに期待したい。

まとめ

フィリピン本国では全90話と原作アニメの倍以上で展開したものの…

今後に控えている、日本での放送は再編集されて全20話にまとめられている。

東映のスーパーヒーロー・シリースで統括プロデューサーを務める白倉伸一郎がクレジットされている。

白倉氏の場合、エキセントリックな格闘シーンを重視し、人間ドラマの細かな機微をスルーしてしまうケースが度々散見される。

物語重視の再編集を期待したい。

「 レッツ!ボルトイン!! 」

執筆者

文・ライター:@LEDMAXI

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Official Note

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