Netflixも良いけどアマプラも良作揃えてるよ~ということで映画批評サイト「 フィルマークス 」で5点満点中3.8点と評判の良いタイムループ作品を鑑賞!
同じ一日をループし続ける「 ループを抜けたい 」少年と「 ループを抜けたくない 」少女。
ライトに見れる青春ドラマです。
明日への地図を探して
あらすじ
マークはタイムループにハマってしまい、同じ1日を何回も繰り返していた。マークはループからの脱出方法を探る一方で、ループの中でしか味わえない自由を謳歌していた。そんなある日、マークは同じくループに囚われた女性、マーガレットと出会った。2人は一緒に時間を過ごす中で惹かれ合うようになったが、マークには1つ気がかりなことがあった。夜になるとマーガレットにメールが届き、そのメールを見た途端、彼女はどこかに行ってしまうのである。「その日に何が起こるのかを把握しているはずなのに、マーガレットは何故同じ内容のメールに突き動かされるのか」。この謎の答えに辿り着いたとき、マークは何故自分がループに囚われたのかを知るのだった。
公開日
2021年2月12日
原題
The Map of Tiny Perfect Things
上映時間
99分
キャスト
- イアン・サミュエルズ(監督)
- キャスリン・ニュートン
- カイル・アレン
- アル・マドリガル
- ジャーメイン・ハリス
予告編
考察・感想レビュー
好きだった点
誰かを殺そうとしたり、殺されそうになったりしない平凡な学生生活のタイムループものは斬新。
本作のキーポイントは、2人がタイムループを始めてから100日以上繰り返しているという点。
マークの100日の感情変化を想像するに、最初は混乱 → ループを楽しむ → 飽きて焦ったり悲嘆に暮れたりする → 次第に諦めの境地に達したのではないだろうか。
なので、冒頭の諦めの境地に達したマークの日常は「 退屈だなぁ 」と平凡な学生そのものの緩さがある。
このマークの緩い日常があったからこそ、本作がマークではなくマーガレットの物語なのだと気付いた瞬間、世界の見え方がガラリと変わる衝撃がアメージング。
嫌いだった点
とはいえ、本作で描かれる日常の小さな奇跡が、私たちもたまに遭遇するような本当に些細なものばかりなので、その緩さの連続を、
例えば映画「 君の名前で僕を呼んで 」くらいの映像美と心地よさで魅せてくれないとなかなかに辛く、中だるみは否めなかった。
見どころ
毎日が自分のペースではなく、時間軸通りに進んでいく日常だと自分の心に深く向き合う時間など到底とれないし、皆、自分自身のことで精一杯で周囲で起こっているであろう
“小さな奇跡”に気付くことができない。
主人公2人は世界の忙しさから切り離されてやっと小さな奇跡に気づき、楽しむために時間を使う。
そんな2人を見て、私達もいつもの道を一本変えてみるとか、気になってたお店に入ってみるとか、奇跡は遭遇するものではなく拾いに行くこともできるのだと知ることが出来るデトックスムービーになっている。
物語の後半でマークの地図を見たマーガレットは、その地図を3D化することでタイムループの一日における小さな奇跡の規則性に気がつく。
そして、このループを抜けるには彼女自身が奇跡を起こす必要があることも・・・。
マークもまた、家族を思い、行動を変えてみると結果が変わった。
行動を変えなければ変化は生まれないし、他者と関わらなければ小さな奇跡も生まれない。
マークが他者のために変えた行動で生まれる奇跡も、マーガレットが自身を成長させるために変えた行動で生まれる奇跡も、どちらもとても素敵で尊い“奇跡”だ。
そのことに気付いた2人は、規則性に唯一欠けていた奇跡を二人で作り出すことにより、100回以上繰り返されてきたタイムループから抜け出すことができたのである。
まとめ
本作が高評価を得ている理由のひとつは、今、コロナ禍で私たちの描いていた未来が何も進まない、何もできないもどかしさと、主人公たちの心境が重なるからだと感じた。
そして、本作を見て、パンデミック前は、一日どんなことも出来てどんな場所へも行けたとしても(ただしマークたちは1日で行けるところ)、不自由は感じていたことを思い出した。
だからきっと人間は、タイムループの1日が、1年でも10年でも、それ以上でも、不自由を感じる生き物なのだろう。
そして、その不自由を楽しめるかどうかも、自分の物の捉え方次第なのだ。