1885年のフランスが舞台。
霊の存在を信じ、会話ができる女性は、家族に恐れられ精神病院に収監されてしまいます。
女性が収監された精神病で待っていたのは、想像を絶する出来事だった。
社会から虐げられた女たち

あらすじ
不思議な能力を持つ女性と苦悩する看護師が出会い、19世紀の神経科診療所で行われる有名な舞踏会に出席するための準備をする。やがて、2人の運命を変えていく。
公開日
2021年9月17日
原題
Le Bal des Folles
上映時間
121分
キャスト
- メラニー・ロラン(監督)
- ルー・ドゥ・ラージュ
- メラニー・ロラン
- エマニュエル・ベルコ
考察・感想レビュー

まず最初になぜ日本語タイトルを「 社会から虐げられた女たち 」としてしまったのだろうと非常に残念な気持ちです。
このタイトルから想像する物語と、実際は全く違っていました。
確かに精神病院に収監されている女性たちは、社会から虐げられていますが、本作はそのことを描写しているわけではないような気がします。
「 霊 」が見え、会話できる女性と彼女によって救われる人物。
それと同時に彼女によって恐怖を感じる人物。
そんな人間模様が描かれている作品です。
精神病院の中で起きていた悲劇的な出来事。
1885年という時代の「 男性 」と「 女性 」、「 科学 」と「 非科学 」というものを、主人公の女性視点で語っているとても芸術的な作品になっていました。
それを「 社会から虐げられた女たち 」というタイトルでまとめてしまうのは、いかがなものかと感じてしまいました。
物語は「 霊 」が見えることで精神病院に収監された女性が中心に描かれます。
彼女が、なぜその能力を授かったのかは分かりません。
彼女の存在が多くの人を救っていきます。
彼女の優しさが能力に関係なく、病院内で苦しめられている人に少しばかりの光を与えました。
そんな心の優しい主人公だからこそ、「 霊 」と話せるという能力を授かったのかもしれません。
まとめ

本作は、その能力によって救われる1人の女性看護士の物語でもありました。
精神病院内で起きていた医者達の傲慢でありえない虐待。
患者たちは舞踏会の夜にたった1度だけ反乱を起こします。
それは小さな革命で、翌日には日常に戻ってしまいますが、それでも彼女たちにとってどこか今までとは違う日常なのです。
そしてそれをもたらしたのは、「 霊 」と話せる主人公の存在でした。
日本語タイトルに惑わされずに、一度見ていただきたい作品です。