レア・セドゥの性悪女ぶりから目が離せない、
官能と苦みが満ちた恋愛ヒューマンドラマ。
画像の引用元:IMdb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)
ストーリー・オブ・マイ・ワイフ
あらすじ
公開日
2022年8月12日
原題
A felesegem tortenete
上映時間
169分
キャスト
- イルディコー・エニェディ(監督)
- レア・セドゥー
- ハイス・ナバー
- ルイ・ガレル
- セルジオ・ルビーニ
予告編
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
考察レビュー
良かった点
ラブロマンスという触れ込みでしたが、意外にもほろ苦い後味を残すヒューマンドラマである点です。
恋を楽しむロマンチックな恋愛映画でありながら、その代償とでもいうように描かれる人生の思うようにいかなさ。
人間の感情の取り扱いの難しさから目が離せません。
主人公のヤコブとリジ―は、こじらせ、惑わせ、嫉妬し、後悔し、、といった「 大人の恋愛 」という言葉が連想させるスマートさからは程遠い人たちです。
それこそが、不格好ながらもリアルな「 大人の 」ラブロマンスであり、「 人間の 」「 人間たる 」恋愛を描いているなあと感じます。
よくある安易なラブロマンスとは一線を画していました。
好きではなかった点
リジーがあまりにも小悪魔的に男性をひどい目に遭わせるので、リジ―を演じるレア・セドゥが嫌いになってしまうほどです(笑)
また、二人の出会いのシーンで仲人を買って出る友人に対して、足が悪く杖をついているのを見て、「 ケガが治ったらな 」と笑うシーンは差別的で、嫌なことを言うなと思いました。
もしかしたら、1920年代という時代背景なので、現代であれば炎上必至であろう言動も、かつては当たり前だったというリアルさの演出だったのかもしれません。
考察
誠実な者ほど馬鹿を見る。
そんな描写もありますが、全体的にはやはり、誠意を持たないものは痛い目を見るという教訓を感じるので、見終わった後の爽快感があります。
裏切ったリジ―に対し、ヤコブがリジ―に自虐的な文章を直筆で書かせ、サインさせるという復讐シーンは強烈でした。
男らしく、能力が高く、強くあろうとし、弱い自分を受け入れない男性と、そんな男性を手玉にとって自分のいいように操る小悪魔性の強い女性。
一見すると賢い恋愛のやり取りのように見えますが、やはりそれは不幸であると示唆しているように感じました。
まとめ
2時間半を超えますが、キャストの演技に引き込まれる良作なエンターテイメントです。
恋人同士で見ると意見が分かれて喧嘩になるかもしれませんが、感想によって恋愛に対するスタンスが浮かび上がるような興味深い1作でした。