SNSが生活の一部になっている現代は、周りがキラキラして見えて自分だけが劣等感や悩みを抱えているように感じがち。
でも実際はみんな悩みと向き合いながら、楽しいことを見つけて生きているのではないでしょうか。
アラサーぽっちゃり女子の主人公ブリタニーは、自分の体型や生きづらい性格にコンプレックスを抱え、周りと比べては卑屈になっていました。
そんな彼女は、医者から高血圧を指摘されたのをきっかけにマラソンを始め、ニューヨークシティマラソン完走という目標に向かいもがいていきます。
本作はコンプレックスを持った女性や悩みを抱えている女性に見て欲しい、勇気をもらえる物語です。
ブリタニー・ランズ・ア・マラソン
あらすじ
愉快で社交的だが、人生はうまくいっていないブリタニー・フォーグラー。途方に暮れていた彼女は、ひょんなことからニューヨーク・シティ・マラソンの完走を目指すようになる。
公開日
2019年8月23日
原題
Brittany Runs a Marathon
上映時間
103分
キャスト
- ポール・ダウンズ・コレイゾ(監督)
- ジリアン・ベル
- ミカエラ・ワトキンス
- ウトカルシュ・アンブドゥカル
- リル・レル・ハウリー
予告編
考察・感想レビュー
好きだった点
本作の主人公ブリタニーは、人が心の奥に抱えている醜い部分もさらけ出しています。
ルームメイトのキラキラしたSNSを見てコンプレックスを感じたり、自分より大柄な女性が彼氏と幸せそうにしている姿を見て傷付けるような言葉をぶつけてしまったり。
コンプレックスを持った女性が目標に向かって変わっていくというストーリーは一見ありがちですが、
ブリタニーがありのままの姿で泣いて悩んでもがいていく姿が人間らしく、この人はどんな風に変わるのだろうと興味を持てました。
嫌いだった点
ルームメイトのグレッチェンが、ブリタニーにバカにするような言葉をぶつけるシーン。
ブリタニーのルームメイトのグレッチェンは、イケメン彼氏がいてインスタのフォロワー数も2万5千人とSNS依存が強く、キラキラした世界を保って生きている女性。
自分が上手くいっているときはご機嫌で、ブリトニーをお酒や薬に付き合わせ、彼氏と別れ思うようにいかなくなるとブリタニーに暴言を吐きます。
そのタイミングが、ブリタニーがマラソンに向き合い減量が順調に進んでいるときばかりなのです。
せっかくブリタニーの気持ちが前向きになり自信がつき始めたのに、グレッチェンの言葉により突き落とされるので見ていてイライラしました。
見どころ
見どころは何と言っても、ブリタニー役を演じたジリアン・ベルが実際に減量し映画の中で徐々に痩せていく点。
前半で「 あれ?何か本当に痩せてる気がする。」とぼんやり感じていたのが、徐々に確信に変わりました。
本作はコレイゾ監督のかつてのルームメイトであるブリタニー・オニールの実話を元に作られています。
ジリアン・ベルはコレイゾ監督と話をして脚本を読み、撮影中も走ることを欠かさずトータル18kgも痩せたそうです。
痩せて綺麗になっていく姿をリアルに見られるので、努力すればこんな風に結果が出るのだと勇気をもらえます。
ブリタニーが怪我をしてニューヨークシティマラソンに参加できず、再びやさぐれるのも見どころです。
順調に進むかと思いきや、人生はそんなに甘くないという現実感がとてもリアルで、そこから再び這い上がるブリタニーの姿がたくましく見えました。
なぜブリタニーはグレッチェンのようなルームメイトと一緒にいるのだろう?と不思議に思いました。
ブリタニーはグレッチェンといることでコンプレックスを感じ、グレッチェンはブリタニーを見下しバカにする。
それだけではなく、楽しく過ごしている時間もあるのですが、グレッチェンがブリタニーにいい影響を与えているようには見えませんでした。
しかし、ブリタニーも元々コンプレックスにより少し性格がねじれた部分もあったので、類は友を呼ぶということなのかもしれません。
マラソンへの挑戦と減量により、自信がつき新しい仲間ができたことは、ブリタニー自身が成長して新しい世界に踏み込めたということなのではないでしょうか。
ブリタニーが成長していく姿を見ながら焦るという、グレッチェン目線のアナザーストーリーがあっても面白いなと思いました。
まとめ
想像していた以上に面白い作品でした。
コンプレックスを持っている人は、どこか卑屈になってしまう部分があると思うのですが、それがリアルに表現されていたなと思います。
ブリタニーを支えている仲間も、それぞれ悩みと向き合っており、恋愛・同性愛・親権問題などの様々なテーマが含まれているのも良かったです。
視聴者よってはブリタニーにイライラしたり、嫌な気分になったりするかもしれませんが、全体を通して勇気をもらえて悩む女性の背中を押してくれます。
ちょっと元気の出ないときにオススメの1本。