「 ビートルジュース ビートルジュース 」の映画情報・あらすじ・レビュー

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ティム・バートン好きには新しくも懐かしさに塗れた作品。

ティムのフェティシズムを自身が再認識した上で再構築させた、セルフ・オマージュと呼べる怪作である。

既に死んだ者、既に大人になった者、これから大人になる者、そして滅ぶ者、そして蔓延る者の大饗宴で賑やかす。

目次

ビートルジュース ビートルジュース

©Beetlejuice Beetlejuice

あらすじ

ビートルジュースは、名前を3回呼ぶと死後の世界から現れる、お調子者の【人間怖がらせ屋】。彼の野望は、死後の世界から、楽しい人間界へ移住すること。そのためには、人間リディアと結婚しなくてはならない。ある日、この無謀すぎる婚活計画にチャンス到来—
リディアの娘アストリッドが死後の世界にさらわれたのだ! 結婚するから娘を助けてと頼まれたビートルジュース。アストリッドを救出してリディアと結婚できるのか!? そこへ彼の元妻ドロレスも登場し、人間界も巻き込んで、メッチャメチャの大騒動に…! ハロウィンの夜に訪れる結末とはー?

(公式サイトより引用)

原題

Beetlejuice Beetlejuice

公開日

2024年9月27日

上映時間

105分

予告編

キャスト

  • ティム・バートン(監督)
  • マイケル・キートン
  • ウィノナ・ライダー
  • キャサリン・オハラ
  • ジャスティン・セロー
  • モニカ・ベルッチ
  • アーサー・コンティ
  • ジェナ・オルテガ
  • ウィレム・デフォー

公式サイト

ビートルジュース ビートルジュース

作品評価

  • 映像 
  • 脚本 
  • キャスト 
  • 音楽(BGM) 
  • リピート度 
  • グロ度 
  • 総合評価 

” ビートルジュース “とは?

©Beetlejuice Beetlejuice

1988年から36年を経て人間界に再びバイオ・エクソシストたるビートルジュースが復活する。

ビートルジュースの名は「 ベテルギウス=Betelgeuse 」に由来しているが、成り立ちは

「 ビートル=Beetle=カブトムシ 」と「 ジュース=Juice=果汁 」といった感じ。

要するにカブトムシの汁ってことで、汚く気持ち悪いと認識されているってこと。

再演で見せるマイケル・キートンの変化

続編としてビートルジュースを再演するマイケル・キートンは、近年の映画界で必須化しているポリティカルコレクトを含まないように要望したと言う。

そういった意味で、近年活発なマイケル・キートンは、元来得意とする奇異な演技を楽しんでいることがスクリーンから手に取るように分かる。

ただ、「ビートルジュース」(1988)や「 バットマン 」(1989)で感じさせたキートンの成人になれない大人の

挙動不審で独特な演技は、影を潜めてしまったように思えたのが淋しくもある。

やはり36年も社会の一員として生活すれば、余程の精神的疾病を持たない限りは普通の成人となるのだろう。

ティム・バートンのフェティシズムについて

上記までの解として、ティムのフェチが色濃いながらも斬新ではないと言える。

ティムが好むメインキャストに配置する女性像は2タイプだと思っている。

①ゴスガール

その代表格がウィノナ・ライダーなのは言うまでもない。

厭世的で小柄少女ながらもスタイルは肉感も豊満であり、睨まれるとゾクゾクしてしまう大きな瞳を持っている。

毒を吐くぽってりした唇にトキメキを感じてしまう。

どこか純黒の清純を秘めている女子である。

それはヘレナ・ボナム=カーターに通じる。

②全てに於いてサディズムの女神的なスレンダーな美女

それはリサ・マリーに通じる。

この両極端な女子に、男たちはティム同様に魅了され翻弄されてしまう。

だが、ティムはこの女子たちを貶める悦びで満たす。

監督=神として、フェティシズムの蹂躙を我々に提供し、フェチの共存、共有、共栄を叩きつけている。

ヒロインの趨勢

ティムにとっての女神はウィノナ・ライダーなのだろう。

しかし、ウィノナはティムの世界以外の、普通の女優としての成功を求めていった。

結果として私生活が乱れ、サンドワームに破壊されるかのごとく、芸能界の地位までも崩壊してしまった。

そんなウィノナを改めて36年前と同じ魅力で復活させている。

さらにティムにとって次世代のミューズは、Netflix「 ウェンズデー 」で主演を務めたジェナ・オルテガに他ならない。

この2人が母娘なんて最高すぎる配役ではないか!

フェティシズムの極み

だがしかし、ティムは新旧ミューズに対して究極の貶めを仕掛ける。

2人は共に、表層は理知的でフェミニンなイケメンに嵌らせ、依存愛に走らせ堕とす。

そもそも、ジェナはウェンズデーでも同じ嵌り堕ちをしている。

ああ、ティムのフェチならぬ堕ち癖なのか?

そしてティムの分身であるビートルジュースはそれを許さない!

結果はそれぞれのシチュエーションでウィノナからも、ジェナからもベビー・ビートルジュースが産まれてしまうことに…ああ!

末路は悪夢

前作も今作も常にビートルジュースに末路は訪れる。

はてさて、感じないだろうか?

最大の仕掛けを!?

今作のタイトルは「ビートルジュース ビートルジュース」

ビートルジュースを何回唱えると彼は現世に現れる?

3回なのだよ!

まとめ

ビートルジュースは胞子となりゴーストハウスの元美少女と美少女だけでなく、

全ての人類に自身の遺伝子をヴァイラスとして植え付けたのではないだろうか?

スクリーンの中の人々だけでなく、外の鑑賞者たる貴女にも、貴方にも、アナタにも。

もちろん、次回作が制作されるとしたらタイトルは「 ビートルジュース ビートルジュース ビートルジュース 」だろう。

世界のあちこちで彼の名前は3回呼ばれることになる。

世界は猿ではなく、下品な白塗りで大きなクマのある顔の人類に支配されてしまうのかもしれない。

Planet of the Apes 成らぬ Planet of the Beetlejuicesとして。

ビートルジュースと声に吐けば、ベテルギウスではなく「 ヴァイラス 」と聴こえないだろうか。

隠された符号はまだ明かされていないのかもしれない。

これこそがティムのセルフ・オマージュ。

執筆者

文・ライター:@LEDMAXI

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