100日間のルール。
- 持ち物をすべて倉庫に預ける
- 倉庫から1日1つだけモノを取り戻せる
- 会社の食料は食べてOK
- 買い物禁止
裸一貫から始まるシンプルライフに、あなたも挑戦してみませんか?
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100日間のシンプルライフ

あらすじ
さまざまなモノに囲まれた生活を送る親友同士の2人が、ひょんな成り行きから所持品すべてを倉庫に預けようということになる。そして彼らは100日間、1日に1個だけそこからモノを取り戻せるというルールでの生活を敢行。その奇想天外な勝負を繰り広げる中で、本当に大切なものに気づいていく。
公開日
2020年12月4日
原題
100 Dinge
上映時間
111分
キャスト
- フロリアン・ダーヴィト・フィッツ(監督)
- マティアス・シュヴァイクホファー
- ミリアム・シュタイン
- アルチョム・ギース
予告編
考察・感想レビュー

モノが溢れる現代社会では、「 持ちすぎ 」が心の重荷になることも少なくありません。
シンプルライフへの第一歩として重要なのが、不要なモノを手放す勇気です。
しかし、年月をかけて集まった思い出の品々や大型の家具など、処分を躊躇してしまうものも多いはず。
そんな時は不用品回収のプロフェッショナルに任せることで、環境に配慮した適切な処理が可能です。
リサイクルできるものは活用し、処分が必要なものは正しい方法で扱うことで、すっきりとした暮らしへの転換点となるでしょう。
モノを減らすことは、新しい生活習慣を築く大切な一歩となります。
好きだった点
元ネタ(「365日のシンプルライフ(2013年)」)を映画にアレンジしているだけあってテンポ感が良かった。
撮り方や編集が洗練されているので、ぼーっと見ているだけでも楽しめます。
パウル(主演)役のフロリアン・ダーヴィト・フィッツが監督と脚本も務めているのですから、その才能には驚くしかありません。
見る者が富豪になった場合と極貧になった場合、両者を体験できる点も醍醐味でしょう。
スマホに搭載できるAIアプリ「 NANA 」(siriやアレクサの究極版らしきもの)が、超大物起業家に1400万ユーロで買い取られ、
つかの間の大富豪気分を味わえたり、何もないゼロ状態の極限生活を味わえたりできるのが楽しかったです。
主役が2人(パウルの相棒にテッド)なので、スマホ依存性だったり浪費家だったりと。
コンプレックスの塊である性格のどれかが自分にも当てはまることが多く感情移入もし易かったです。
そこに謎の多い魅力的な女性ルーシーが加わります。
買い物依存症である彼女に感情移入する現代人は、少なくないのでは?
笑いの質も高く、安っぽいコメディに成り下がっていないのも良かった。
コメディといえば、ドイツ映画「 帰って来たヒトラー (2015年)」もかなり上質だったのを思い出しました。
やはり負の歴史認識を正しく見据えながら、それをお笑いに変える感覚は洗練されているなあ、と感心しました。
大好きだったのは、見事なラストシーン。
嫌いだった点
嫌いというよりも、大物起業家ザッカーマンの存在と描き方が気になりました。
名前からして「 ソーシャル・ネットワーク(2010年)」に登場した主人公の「 彼 」を彷彿とさせますよね。
俳優のアルチョム・ギースも本人ソックリでした。
彼の秘書がパウルとテッドに、ザッカーマンと話す際のいくつかの注意点を挙げます。
目を合わせない、先に発言しない等、まるで彼とヒトラーを重ね合わせているような警告を放つのが少し際どいと感じました。
ヒトラーも彼も実在の人物ですから、ザッカーバーグを悪者として描くのはいかがなものでしょう。
どうせなら本人を登場させれば良かったのにと思います。
見どころ
男の裸で始まり、男の裸で終わる点が見どころ。
男性の裸が好きということではないですよ(笑)
シンプル生活の原点は裸一貫であり、本当に大切なものを突き詰めていくと、何が残るのかというメッセージになっていました。
スタントマンなしで、マイナス17度のベルリンを駆け抜ける2人の体を張った演技は、映画でしか見られないシュールである意味貴重な光景なのかもしれません。
裸はさておき、映像の美しさも見どころです。
監督の繊細な美的感覚が、スクリーンの隅々まで行き届いていて、音楽もシンプルながら心に静かに染み入る(ハートウォームな)曲が使われていて飽きません。
一言で言えば、お洒落。
さて、私たちにもシンプルライフを送ることが可能なのでしょうか?
特殊な関係に身を置かない限りは、同じようには難しいでしょうね。
それでも、不要なものを片付けたり買わなかったり、スマホを触らない日を作ったり、いわゆる断捨離により自分の生活を見つめ直すことはできると思います。
たまたまですが、本作を見に劇場へ向かう途中、古本屋でリュックサック一杯分の本を売りましたが、所持品を手放すことで、何となく身も心もスーっと軽くなりましたよ。
まとめ

「 365日のシンプルライフ 」をベースに、コメディとデジタル社会への警鐘という捻り(ひねり)を加えた本作。
テーマは「 消費社会における幸せとは? 」に尽きると思います。
劇中に主人公パウルの母が「 幸せとは、水と同じ。掴もうとするとこぼれ落ちる 」と話しています。
幸せとは?
それぞれの主人公たちが、その答えを見つけ出し、痛快で見事なラストシーンへと繋がります。
本当に必要なものとは?
ぜひ本作を見て、各々がそれを見つけられますように。
各地域には信頼できる不用品回収業者があります。
以下の情報を参考に、お住まいの地域に合った業者を見つけることができます。
地域ごとの適切な業者を選ぶことで、安心して不用品の処分を進めることができます。
これを機に、本当に必要なモノだけを残す、新しい暮らしを始めてみては?