イタリア映画「 ワン・モア・ライフ! 」の映画情報・あらすじ・レビュー

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型にはまらない人生賛歌がユニークで面白い!

「 死 」をユーモラスに描きつつ、「 生 」の核心を突く良作。

目次

ワン・モア・ライフ!

ワン・モア・ライフ!
©ワン・モア・ライフ!

あらすじ

中年男のパオロは中年男のパオロは、いつもの交差点で交通事故に遭ってしまう。 予想外に短い寿命に納得できないパオロは天国の入口で猛抗議。 すると、前代未聞の計算ミスが発覚し、92分間だけ寿命が延長され、地上に戻れることに。 傷心のパオロは、それまで勝手気ままに生きてきた自分を戒め、家族の絆を取り戻すと一念発起。

公開日

2021年3月12日

上映時間

94

原題

Momenti di trascurabile felicita

キャスト

  • ダニエーレ・ルケッティ(監督)
  • ピエールフランチェスコ・ディリベルト
  • トニー・エドュアルト
  • レナート・カルペンティエーリ

予告編

考察・感想レビュー 

ワン・モア・ライフ!
©ワン・モア・ライフ!

好きだった点

軽快なイタリア語の響きと話に引き込まれるユーモアは、大きな魅力の1つだと思います。

死にゆくパオロに走馬灯のように駆け巡るのは、愛人のことだったり、タクシーの順番はなぜいつも分かりにくいのか等のしょうもないことばかり。

本作は誰もが迎えるものの、恐ろしくて可能であれば考えたくない「 死 」をテーマにしています。

ユーモアの軽やかさを交えつつ、本当に生きていることは、かけがえのないことなのだとメッセージを込めてくれていると感じました。

清らかなだけではない人間のリアルな面を描いていて好感が持てます。

人間という生き物をよく分かっているなあと感心。

嫌いだった点

嬉しいことも気が滅入ることもある人生を、登場人物の皆が一所懸命に生きている感じがして、全体を通して嫌いだと思う点はありませんでした。

娘がパオロ(父親)に対して、やたらと露出の多い服装で色っぽい態度を取る印象があり、ややロリコン趣味な感じには違和感がありました。

見どころ

「 死 」をテーマにしているものの、涙涙のお別れのように、お決まりの展開にならないのが面白い。

家族との別れを惜しむパオロに対し、何度も浮気をされてきた妻や、世話などされた覚えのない子供たちはドライな反応。

本作はイタリアの話ですが、こうしたリアルな家族像は世界共通なのだなと苦笑する気持ちでした。

とはいえ、子どもには隠し通すものの、妻がパオロが本当に死んだと知ったときの動揺は、やはり心を揺さぶられるものがあります。

少しくらい欠点があっても「 その人が生きている 」ということは、本当に素晴らしいことであり、「 欠点こそ愛していた 」という台詞は大きな人間愛を感じました。

パオロが死後の世界のミスにクレームをつけて、なんとか得た1時間32分という時間は、本作の上映時間とほぼ同じです。

映画を見ている途中にそれに気づき、何とも気が利いているなと思うと同時に、自分はこの11秒を悔いなく過ごせているか?と問う気持ちになりました。

色々なことができるとも、全く何もできないとも考えられる時間。

11秒も惜しいのに、無駄なことに時間を使って焦るパオロの姿は、やはり誰もかれもが100%抱える「 いつか迎える死 」に向けての過ごし方と何ら変わらないわけです。

映画の中でも11秒の時計の刻みがとても重く描写されるシーンがありますが、私たちもその最後を知らないだけで、同じくらい貴重な時間を過ごしているという事実を思い知ります。

生きていることを大切にしたくなりました。

ビーチで出会う美しい少女は誰だったのか?

その少女には恋人がいて、パオロのことをその恋人に「 今日から彼氏になったパオロよ 」と紹介したり、3人で夜のビーチを一緒に歩いたりするのですが、

疲れて眠くなったパオロが駄々をこねると、その少女はパオロを肩車します。

その瞬間、パオロは小さな子供に。

どういうことだ!?と混乱しました。

その後、少女は回想シーンで「 今ではもう90キロ。おばあちゃんだわ 」とパオロに話しかけることから、もしかしたら少女とその恋人は、幼い日のパオロの父と母を表していたのか?

と感じました。

「 人生の最後には子ども時代に帰っていく 」という描写なのでしょうか。

不思議なシーンでした。 

まとめ

「 死 」をユーモラスに描きつつ、「 生 」の核心を突く作品だと思いました。

今生きていることや、人生が愛おしくなるので、元気を出したい時などにおすすめの1本です!

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