静かなる決闘(1949)

公開日
1949年3月13日
上映時間
95分
キャスト
- 黒澤明(監督)
- 中北千枝子
- 宮崎準之助
- 三船敏郎
- 志村喬
- 三條美紀
- 千石規子
- 植村謙二郎
コメント
当時は不治の病とされていた梅毒をテーマに、一人の男の人生を静かに見つめる作品。
軍医として懸命に命を救ってきた主人公が患者から梅毒をもらってしまい、恋人に打ち明けることもなく孤独に生きていく様子に、なんとも言えない切なさを覚える。
東宝争議(東宝内で行われた労働争議)が激化したのち、黒澤が東宝を脱退して初めて制作した映画としても注目したい。
野良犬(1949)

公開日
1949年10月17日
上映時間
122分
キャスト
- 黒澤明(監督)
- 三船敏郎
- 志村喬
- 淡路恵子
- 木村功
- 千石規子
- 三好栄子
- 河村黎吉
- 千秋実
コメント
推理小説を愛読していたという黒澤が初めて挑戦した犯罪サスペンス。
ある日、射撃練習をしていた若い刑事が銃を盗まれたことをきっかけに、ベテランの刑事とともに犯人を追うことになる物語だ。
新人の脚本家を警視庁に向かわせ、実際にあったエピソードを脚本のヒントにしていたそう。
当時のサスペンスものにはめずらしくドキュメンタリー風に撮影された本作は、黒澤の新境地が開けた一本だろう。
醜聞 スキャンダル(1950)

公開日
1950年4月30日
上映時間
104分
キャスト
- 黒澤明(監督)
- 三船敏郎
- 志村喬
- 山口淑子
- 桂木洋子
- 小沢栄太郎
- 千石規子
- 日守新一
コメント
悪質なマスコミに批判的であった黒澤が一石を投じることとなった社会派の作品。
伊豆で出会った画家の主人公と声楽家の女性。
偶然会話していた場面を居合わせた記者に撮られたことをきっかけに、大きなスキャンダルへと発展していくストーリーだ。
現代でも問題視されることの多いジャーナリズムについて、黒澤ならではの鋭い視点で捉えている。
羅生門(1950)

公開日
1950年8月26日
上映時間
88分
キャスト
- 黒澤明(監督)
- 三船敏郎
- 京マチ子
- 森雅之
- 志村喬
- 千秋実
- 上田吉二郎
- 本間文子
- 加東大介
コメント
言わずと知れた名作である本作は、黒澤の代表作の一つである。
芥川龍之介の小説「 藪の中 」をもとに、同じく芥川の小説「 羅生門 」から設定を用いて制作された。
一人の武士が殺害されたことをきっかけに、その場に居合わせた人間の証言を一つずつ照らし合わせ、事件解決を目指す。
真実を隠し自己保身に走る人間の利己主義が見事に描かれており、見ているこちら側もドキッとさせられる構成だ。
第12回ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞するなど、国際的にも高い評価を得ている。