映画ライフ楽しんでますか?
今回は、ペンネーム@パラムさんからの投稿レビューです。
エイミー・アダムスの狂気が光るサスペンス要素満載の作品です。
ある1人の女性が過ごした一週間を、スリリングに描いており、最後まで目が離せない物語となっています。
ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ

公開日
2021年5月14日
上映時間
101分
原題
The Woman in the Window
キャスト
- ジョー・ライト(監督)
- エイミー・アダムス
- ゲイリー・オールドマン
- ジュリアン・ムーア
予告編
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
感想レビュー

好きだった点
色彩が薄暗い青、赤、ピンクなどシーンごとに変化していき印象的でした。
電話する相手の声、ハロウィンで浮かれた子どもたちが玄関ドアに卵をぶつけてくる音、水道の蛇口から絶えず水がポタポタと滴る音、向かいの家からの女性の悲鳴など。
音だけで想像力を掻き立てられる演出がこの主人公の恐怖感を煽っているようでこちらまでゾクゾクしました。
何が現実で何が妄想(夢)なのか分からない感じがずっと続くのも、この物語に集中させてくれる要素としてとてもよかったです。
嫌いだった点
嫌いな点ではありませんが観ていて不安を覚えたのは、この主人公の女性がとてつもなくスリリングで謎の多い一週間を送るんですね。
月曜日から始まり火曜、水曜…と続いていく。日を追うごとに謎は解明されるどころか深まるばかりなんです。
なんと土曜日になっても謎と狂気に満ちていて、“これ本当に一週間で全て解決するのか?
もしかして謎のまま終わるっていうモヤモヤが残るパターンなんじゃ?”
と、かなり不安になってきます(苦笑)。
でもご心配なきよう、最後の最後でびっくりなどんでん返しがありますのでお楽しみに。
見どころ
女優エイミー・アダムスの狂気が光りまくっている点。
彼女の作品全てを観たわけではありませんが、“こんな狂った演技もできる人だったの?”と驚きました。
彼女が演じた人物は児童心理カウンセラーでありながら、広場恐怖症という厄介な精神病を患っている難しい役なのですが、それを見事に演じていてとても物語に引き込まれました。
正直、私が好むストーリーではなかったのですが、彼女の演技を観るだけでも今作を見る価値は十分あると思います。
考察レビュー
主人公の女性は引っ越してきた向かいの家の住人が気になり始め、いけないとはわかっているはずなのに「 覗き 」という行為をしてしまいます。
それはやましい感情からというわけではなく、その家に住む1人の少年を心配する気持ちから始まったことだと思います。
彼女が児童心理カウンセラーという職業だということもありますが、なぜそこまでこの家族に執着するのか?
ラストの方で明らかになりますが、実は過去にこの主人公は自分の過ちのせいで家族を亡くしていたことが判明するのです。
彼女はそれを受け止められず過去の出来事をなかったことにしてしまった。
今は別居していると前半言っているように。
きっとこの少年を助けたいという思いは、助けてあげられなかった家族への代償行為ではないかと思います。
そう思うとあのラストの結末はかわいそうです。
助けたいと思っていた少年が一番ヤバかったという最悪な結末…。
あと気になったのは、隣人は彼女に覗かれてることがわかっているのになぜ部屋にカーテンをつけないのかということ。
むしろ普通の家より見せすぎだろ!と思わず突っ込みを入れたくなってしまいます。
これはもう「 覗かれたくない人はカーテンしましょ… 」って言葉で片付けさせてください。
まとめ

正常な人間なんて1人もいないのではないかと今作を見ている間、何度も思いました。
それくらい何が真実で何が妄想なのか分からない。
謎解きが好きな人、人間の心理に興味がある人にはおすすめな1本かもしれません。
ハヤカワ文庫NVより「 ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ(上下)」も発売中とのことなので、こちらをじっくり読んでから本作を見るのもいいですね。