
バットマンの踏み絵的な作品である。
面白い!
バットマンはヒーローではなく人間である。
バットマンを演じた復讐はザ・バットマンになる。
画像の引用元:IMdb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)
THE BATMAN ザ・バットマン


公開日
2022年3月11日
原題
The Batman
上映時間
176分
キャスト
- マット・リーブス(監督)
- ロバート・パティンソン
- コリン・ファレル
- ポール・ダノ
- ゾーイ・クラビッツ
- ジョン・タトゥーロ
- アンディ・サーキス
予告編
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
考察レビュー


今作はバットマン好きにとって踏み絵になりはしないか?
バートン版の公開時も賛否が巻き起こった。
なぜなら原作を知らない者にとってバットマンはエンタメコメディだった。
しかし、ティム・バートン版はダークヒーローであり、期待した成果は上がらず、ワーナーはシューマッカにエンタメ路線で派手派手で製作した。
その後のリアルヒーロー路線のクリストファー・ノーラン版ダークナイト。
スーパーヒーロたるスナイダー版。
ではマット・リーヴス版は?
流石「 猿の惑星 」を回顧的に拘らずに再生させた手腕だけに、見事としか言えない作品に!
バットマンのコミックとしての原点は、ディテクティブ・ストーリーである。
迷走しかけたバットマンを本質的なダークナイトに舞戻したのは、フランク・ミラーのバンド・デシネ的な表現演出だ。
映画界のヒーローに押上げ、エンタメから陰鬱とした漆黒のヒーロを顕現させたティム・バートン。
数々のスタイルを表現するバット・モービルに他のギミックの数々。
こうやって多岐多様な嗜好に派生していしまう「 BATMAN 」の過去作品に固執しているならば、踏み絵に挑むことになるだろう。
反対に構えることなく柔軟に挑めば、今作はあなたを至福に導くだろう。
陰々鬱々とし、呪わずにはいられなかった澱みからの解放と言う羽ばたきを得るだろう。
明確に言ってしまえば、映画界の単体ヒーローとして「 スーパーマン 」後、
改めて単体ヒーロー路線の確立を為し得た「 バットマン(1989)」
リアル鑑賞世代の映画好きならば、映画としての多様多岐のリスペクト・オマージュを感じるだろう。
かく言う僕も「 バットマン(1989)」は、現ヒカリエパンテオンの初日初回上映鑑賞の為に深夜並びをした世代。
要するに、今作は80年代後期から90年代のフィルム・ノワール的なクリミナル・サスペンスが散りばめられている。
先ず感じることは見えない雨天と曇天は「 セブン 」
ゴッサムシティの雰囲気は「 チャイナタウン 」
コリン・ファレル演じるペンギンに至っては「 アンタッチャブル 」の彼なのか?
街並みや車両、基本的なギミック内での現代的なハイテク技術との絶妙なバランス。
主題にも等しいニルヴァーナの「 サムシング・イン・ザ・ウェイ 」が導く世界観。
このコラージュが素晴らしい。
だからこそバットマンは「 人 」なのである。
いや、両親を失い愛を喪失・拒否し、復讐の闇に生きた「 恐怖蝙蝠男 」は…
THA BATMANになった。
まとめ


THA BATMANとなり、雨と夜が明けた世界で貢献する姿。
「 スーパーマン 」以降の映画で語られたヒーローにはなかった姿ではないのか?
それこそが人間だから。