映画ライフ楽しんでますか?
今回は、ペンネーム(@ジョナ)さんからの投稿レビューです。
作品の公開初日に劇場へ足を運ぶのはいつぶりか思い出せないほどですが、レイトショーで鑑賞に間に合いました。
予習として「 メメント 」「 インターステラー 」を見直してから今作に挑みました。
時間の逆行や、科学SFの追求という共通点がありながら、過去作をどんどん更新していくノーラン作品の「 新しさ 」に、ブッ飛びました。
その新しさとは?
他の映画作品とも比べながら考えてみたいと思います。
画像の引用元:IMDb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)
TENET テネット

あらすじ
公開日
2020年9月18日
原題
TENET
上映時間
150分
キャスト
- クリストファー・ノーラン(監督)
- ジョン・デヴィッド・ワシントン
- ケネス・ブラナー
- ロバート・パティンソン
- エリザベス・デビッキ
- クレマンス・ポエジー
予告編
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
▶︎ TENET テネット(考察・解説)
クリストファー・ノーラン作品(一覧)
- Following(2001)
- メメント(2001)
- インソムニア(2002)
- バットマン ビギンズ(2005)
- プレステージ(2006)
- ダークナイト(2008)
- インセプション(2010)
- ダークナイト ライジング(2012)
- インターステラー(2014)
- ダンケルク(2017)
- TENET(2020)
考察レビュー

好きだった点
最初から最後まで目が離せない点。
冒頭のオペラ劇場のシーンで、のっけからクライマックスのようなアクションが展開され、映画館の劇場ごとスクリーンの中に入り込むようでした。
それからも、ずーっとジェットコースターに乗っているような感覚であっという間の2時間半でした。
(しかも、今作では5時間分の追体験ができます)
監督の壮大な仕掛けはさておき、スパイ映画として、普通に楽しめる内容となっていました。
嫌いだった点
テロリストたちが、オペラ楽団の楽器を倒したり踏んづけたりするシーンが嫌でした。
ジャンボ旅客機さえも実際に爆破させるのは「 さすが! 」の一言ですが、
コントラバスやチェロも実物を破壊しているのだろうな、と余計な心配をしてしまい落ち着かない気分になりました。(楽団長を5年務めた経験があるため)
見どころ
何と言っても時間逆行の映像体験です。
SF小説の世界では、タイムパラドックスや「 時間 」を題材にした実験的な作品はそれほど珍しくはありません(星新一、小松左京、筒井康隆など)
それを映像として、しかもCGやテープの逆回転に頼らずに撮ったのは凄いとしか言いようがありません。
俳優たちも、逆行シーンでは動作を反対にして演技したそうです。
さらに、IMAXカメラによる撮影、回文的な物語を支える音楽、撮影日の天気( 晴れよりも曇り )にも、こだわっていたようです。
クリストファー・ノーラン監督ならではの、細部へのこだわりが見どころであるのは言うまでもありませんが、
監督の、映画の力を信じる「 テネット(信条)」が、最大の見どころでしょうね。
▶︎ TENET テネット(感想レビュー①)
疑問点

では、今作の新しさとは何でしょうか?
それは、「 何度も何度も繰り返し見られること 」を前提にしているところだと考えます。
「 ユージュアル・サスペクツ(1995)」や「 シックスセンス(1999)」のように二度見られることを前提に作られた名作はありますが、
「 オール・ユー・ニード・イズ・キル(2014) 」の主人公が何度も生き返るように、何度も反復して観賞することで、その度に新しい発見ができるでしょう。
まずは、作品のありのままの世界を受け入れて楽しみ、それから謎解きをしながら、細部を確認しながら、何度でも楽しむことができます。
ニール役のロバート・パティンソンでさえ
「 完璧に理解するには物理学の博士号が必要かもしれない 」と話すほど難解でもありますが、監督自身は「 そんなに分析しなくてもいいよ 」と、主人公役のデビッド・ワシントンに言ったそうです。
他の作品と比べものにならないくらい、リピート度の高い作品でしょうね。
もう一度見なきゃというよりも、あと何回見るだろうと感じたほどです。
▶︎ TENET テネット(感想レビュー②)
まとめ

レイトショーで今作を観終えて、そのまま回転ドアで劇場に逆行して、もう一度見たあとは、自転車を逆向きに走らせ帰宅しました。
デジタル時計は00:00の表示。
しばらく見つめていたら23:59に変わりました。
どうやら、まだ「 テネット 」の世界から脱出できていないようです。