
日本のホラー映画文化の先駆けとも言われる「 リング 」シリーズの中田秀夫監督最新作。
全く新しいジャパニーズホラーが誕生した!
本レビューでは「 ”それ”がいる森 」の面白さを解説します。
画像の引用元:IMdb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)
”それ”がいる森


あらすじ
公開日
2022年9月30日
上映時間
107分
キャスト
- 中田秀夫(監督)
- 相葉雅紀
- 松本穂香
- 上原剣心
- 江口のりこ
- 尾形貴弘
- 中村里帆
- 綾乃彩
- 松嶋亮太
- 松嶋亮太
- 吉本菜穂子 他
予告編
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
考察レビュー


今作には、これまでのジャパニーズホラーになかった要素が詰め込まれています。
予告で伏せられている「 それ 」の正体そのものが、1つの別ジャンルとして作品に新しい風を与えています。
物語の序盤では、ホラー小説家のスティーブン・キングの代表作「 IT 」のような、子供が活躍するジュブナイル要素もあります。
つまり「 それ 」の正体が判明するまでは、ホラー映画として特に目新しい表現が出てくるわけではありません。
しかし「 それ 」の全貌が明かされた瞬間から、今作は単なるホラー作品では無い事が分かります。
日本映画全体でも、今作の様な作風のホラーは新しいと思います。
「 それ 」に対する謎や恐怖というメインストーリーと並行して、今作では主人公・田中淳一(相葉雅紀)と息子の一也(上原剣心)の親子愛が描かれています。
まず「 それ 」に遭遇した初めての生存者は、小学生の一也です。
小学生なので当然、「 それ 」について説明しても、同級生や警察からは子供の戯言だと思われ、信じてくれません。
一連の映画の序盤における一也の心情は、現代の子供が社会や親に対して、多かれ少なかれ抱いている閉塞感を表している様に思えます。
だからこそ、淳一と一也の親子関係が修復される場面と、そのキッカケには考えさせられるものがあります。
淳一が「 それ 」に怯える一也を勇気づける為に歩み寄る場面では、本当の「 父親らしさ 」とは何かを伝えてる気がしました。
作品全体を通して、演出や脚本は世界に通用するクオリティだと思います。
一方で、「 それ 」のCGがもう少しリアルなら、個人的に満点の作品でした。
まとめ
今作の作風は、既存のジャパニーズホラーに例えると、2020年の「 事故物件 / 恐い間取り 」が最も近いと思います。
一見、突拍子もない物語ですが、エンドロールを迎えたとき、背筋が凍ります。