
観ているとどうにも辛くなり、何度か中断しながらの観賞となりました。
第二次世界大戦下、青空の下で起こった悲劇。
子供たちの瞳に映ったものたちとは?
画像の引用元:IMdb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)
その瞳に映るのは


公開日
2022年3月9日
原題
Skyggen i mit oje
上映時間
99分
キャスト
- オーレ・ボールネダル(監督)
- バートラム・ビスゴ・エネボルドセン
- エスター・バーチ
- エラ・ヨセフィーネ・ルンド・ニルソン
- マレーナ・ルシア・ロダール
- ファニー・リアンダー・ボールネダル
予告編
なし
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
考察レビュー


「 爆弾が校舎に落ちた時、子供達は泣き叫び、太陽は消えた 」
第二次世界大戦末期、1945年のコペンハーゲン。
レジスタンスは英国に、ゲシュタポ司令部の爆撃を要請します。
英国空軍は捕虜が「 人間の盾 」にされていた為、躊躇しますが同年3月、レジスタンスが一掃の危機を迎えると、攻撃命令が下されました。
このデンマークで活動しているレジスタンス救出を目的とした、英国空軍による作戦はカルタゴ作戦と呼ばれます。
主人公は、青空からやってきた戦闘機の誤発射による惨劇を目撃し、トラウマで声が出なくなった男の子。
ゲシュタポによって額を撃ち抜かれる男の姿を目撃し、食事ができなくなった女の子。
さらに、迷える修道女、過ちに苦しむパイロットと、ひとりに絞られることがなく群像劇のように描かれます。
そのため、戦争による被害者は、誰なのかということが鮮明に浮かび上がってきました。
子供たちが寄宿学校で賛美歌を楽しそうに歌い、笑い合う光景が、不穏の影の襲来をさらに不気味なものに感じさせます。
正直、ホラー映画よりも恐ろしさを感じました。
監督が、エクソシストものの「 ポゼッション(2012)」の人と知り納得。
このカルタゴ作戦中、標的を誤った戦闘機の爆弾によって、未来の芽を育てる学びの場は、子どもたちの悲鳴と共に地獄の様相となります。
結果、生徒86名を含む125名の民間人が犠牲となりました(エンドロールで実際の学校での集合写真と、故人の名前が記されます)
アメリカによる対テロ戦争を描いた「 アイ·イン·ザ·スカイ(2015)」では、1人の少女を救うために、推定80人の民間人が無差別テロに巻き込まれるのを黙認できるかという問題をテーマにしていました。
オバマ政権時、ドローンが爆弾を発射した数は約5万発。
それによる戦闘員の殺害数は数千人で、民間人も400~1000人以上が巻き添えで亡くなっています。
そして、今……。
まとめ


ウクライナではロシアの軍事侵攻で、少なくとも100人以上の子供を含む数千人の市民が犠牲に。
半世紀以上が経ち、違う時代の違う場所で、それでも同じ青空の下で、今の子どもたちの瞳は、何を見つめているのでしょうか。