こんにちは、Johnです。
映画ライフ楽しんでますか?
今回は、ペンネーム(@ま、いっかけん)さんからの投稿レビューです。
今作の特徴は次のとおり。
- 東映特撮ヒーローものの大人向け版
- 刀剣乱舞の舞台で活躍した2.5次元俳優たちが活躍
映像表現は東映特撮ヒーローものテイストでして、キャラ風貌はさながらアニメのコスプレ感があります。
通常の時代劇を期待して「 こんな奴は江戸時代にはおらん! 」と拒否反応を起こす人もいるでしょう。
それを乗り越えると、すっきりと楽しめます。
それ以上に時代劇に新たな新風と、ニューヒーローが登場したことを素直に喜べるようになっているでしょう。
画像の引用元:IMDb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)
死神遣いの事件帖 傀儡夜曲

公開日
2020年6月12日
上映時間
90分
キャスト
- 柴崎貴行(監督)
- 鈴木拡樹
- 安井謙太郎
- 崎山つばさ
- 鈴木絢音
- 山口馬木也
- 堀内正美
- 高田聖子
予告編
公式サイト
感想レビュー

幻士郎(主人公)は傀儡師=人形遣いを表稼業としながら探偵業をしています。
彼の正体は「 死神遣い 」
死神十蘭と契約しており、戦闘モードになった十蘭は幻士郎の刀に変身、
その代わり古典落語の死神のように、幻士郎の命のロウソクは少しずつ減っていきます。
言葉で説明するとややこしそうですが、さすが東映特撮を数多くてがけた柴崎監督と脚本の須藤泰司プロデューサー。
摩訶不思議の設定を劇中に違和感なく散りばめていきます。
さる商人の未亡人から、亡き夫の残した行方知れずの娘探しを頼まれます。
手付は十両で、探しだしたら百両と言う大仕事です。
幻士郎はその十両も博打ですってしまうようないいかげんな男ですが、博打がきっかけで、庄司新之助たち町奴のグループと知り合います。
新之助たちは、水野九郎左衛門旗本奴たちと張り合っていいまして、幡随院長兵衛の物語がベースとなっています。
冒頭に登場した死神(敵)が、明らかに東映特撮モンスターのイメージそのもので、
このまま特撮ガガガと、特撮のりで行くのかなと予測していたのですが、
ドラマが展開するうちに思ったのは「 ちゃんとしている 」ことでした。
カラフルなビジュアルなので、一見、キワモノ的に見られがちですが、時代考証がしっかりしています。
家光時代に吉原が新設されたり、豊臣家の末裔の娘だったりと、ちゃんと時代劇ファンからしてもよく練られたプロット。
人気の時代小説文庫の一冊になってもおかしくないくらい重厚なものです。
また撮影は時代劇伝統の東映太秦撮影所、メインキャスト以外は堀内正美さん、高田聖子さんらベテラン俳優が支えているので安定感抜群。
単なる人探しが、吉原の遊女が連続で狙われる殺人事件に巻き込まれ、
果ては豊臣家のご落胤をめぐる騒動となり、果ては幕府を揺るがす陰謀につながることに。
玄士郎の失われていた記憶にも蘇らせます。
ズッコケの中にカッコよさ、優しさの中に強さをもった、奥行きのあるキャラクターでした。
好きだった点
幻士郎の相棒になるのが、死神十蘭です。
従来の死神像とまるっきり違う金髪の美少年です。
普段は人形の中に魂が入っているのですが、その人形がいかにもフィギアっぽいのがご愛嬌。
幻士郎が死ねば解放されるのですが、長い付き合いで、ほのかな友情が芽生えています。
幻士郎と十蘭のやりとりが楽しいですね。
映画終盤にはその2人の関係に決定的な変化が。
嫌いだった点
今回、前知識なしに見たものの、ロン毛だったり染めたり、カラコンをしてたり、主要キャラのビジュアルはやはりよくも悪くも目をひきます。
刀剣乱舞ファンや2.5次元ファンにとっては馴染みのもので、むしろそのビジュアルだからこそカッコいいんでしょ!
と思うかもしれませんが、やはり馴染みのない人には違和感があるかも知れません。
中年以降の時代劇ファンにも抵抗感なく視聴してもらうためには、もう1歩踏み込んだ工夫が必要なのかなと思いました。
応援しています東映さん!
見どころ
やはり、特出すべきはチャンバラシーン。
特撮ヒーローもののアクション、伝統東映時代劇のチャンバラが融合したような感じです。
ボスキャラはドラマ「 剣客商売 」で秋山大治郎を演じた山口馬木也さん。
殺陣には定評ある山口さんと幻士郎との対決はド迫力。
さすが刀剣乱舞で主役だった鈴木拡樹さんの殺陣も素早くてかっこいいです。
彼の殺陣ならレジェンドのチャンバラスターを見てきたオールドファンでも堪能するのではないでしょうか。
今回は謎解き7分でアクション3分だったので、この比率が逆の方がもっと受けがいいかも。
考察・疑問点
今作は舞台「 死神遣いの事件帖 鎮魂侠曲 」と連動しています。
舞台では主人公が幻士郎から町奴(まちやっこ)のリーダー新之助にバトンタッチ。
幻士郎のキャラは、ルパン三世のようでユニークだし、摩訶不思議な設定とチャンバラは意外と相性がいいことが分かりました。
ぜひシリーズ化、もしくはTVドラマ化、サブスクでもいいからこのジャンルを確立して欲しいですね。
「 銀魂 」や「 鬼滅の刃 」でもそうですが、日本人って基本的にチャンバラが大好き。
ややこしい設定や用語が出なければ、若者でもチャンバラを見たいのです。
「 ひっこし侍 」など、最新歴史研究をもとにしたリアル時代劇と並行して、伝奇チャンバラを作り、次世代にも時代劇を受け継ぎ続けて欲しいと思います。
まとめ

遅ればせながら、鈴木拡樹さんの魅力を今作で初めて知りました。
容姿よし、チャンバラよし、声もよし。
是非、一部の人が知っているスターから、誰もが知っているスターになって欲しいです。
今作はシリーズ化して欲しいと感じた作品でした。