前回の記事を読んでいただくと分かる通り、筆者はもう完全に「サンクチュアリ‐聖域‐」の虜であるが、こうしてありがたいことに記事を書かせていただいていることもあり、
一気見したい衝動に耐えつつ各話ごとの魅力をこまごまと整理しつつ視聴しているわけである。
もし未視聴の人が何かの手違いで2話について書いている本記事に辿り着いてしまったのなら。
悪いことは言わないから回れ右でNetflixを開くか、戻って1話の記事を読むかして、それからぜひ本作を観てほしい。
というか観てください。絶対に後悔しないから。
サンクチュアリ‐聖域‐(第2話)

第2話 – あらすじ
清は兄弟子に誘われて、気乗りしないまま高級クラブへ行く。しかし、兄弟子からの酷い扱いを受け、稽古中に怒りをぶつけることにする。
公開日
2023年5月4日
上映時間
48分
キャスト
- 一ノ瀬ワタル
- ピエール瀧
- 染谷将太
- 小雪
公式サイト
予告編
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
サンクチュアリ‐聖域‐第2話の見どころ

1話の冒頭は吹き飛ばされた小瀬が叩きつけられる稽古場の壁が約1分にわたって映されるという、なかなかに痺れる開幕だったが、2話はまた違った意味で衝撃だった。
一瞬、全然違う番組が再生され始めたと思った人も多いのではないだろうか。
というのも、画面いっぱいに映し出されるのは、はらりと舞う桜の花びらと血を流す女の腕。
そして事切れた女の虚ろな顔と、死体の前に佇む1人の少年へと画面は変わる。
これだけ観ると完全にサスペンスやミステリの冒頭。不穏である。
これはどうやら、小瀬がよく煙草を喫っている公園で知り合って仲良く(?)なる怪物級力士・静内(住洋樹)の過去のようだが、何者なんだ……と引きもばっちり。
そんな感じで、今後の展開に深く絡んできそうな新キャラが続々と登場するのが2話である。
明らかに異質さ極まっている静内に、小瀬が鼻の下伸びまくりのキャバ嬢・七海(寺本莉緒)、とりあえず名前だけ出てきた休場中の横綱「 蛇王 」などなど。
キャバクラのシーンでは「 猿楽町で会いましょう 」(2019)、「手」(2022)などで主演を務めた新鋭の若手俳優・金子大地がなにやら意味ありげにちらっと映るシーンもあった。
もちろんドラマも健在。
清水(染谷将太)の熱が響いたかと思いきや、1話から引き続き全く真面目に相撲に取り組む雰囲気のない小瀬。
しかし自分の序の口優勝を唯一喜び、たくさんの仕送りを送ってくれた父が交通整理の仕事中の事故で寝たきりになってしまう。
安くはないだろう入院費だが母親はびた一文払わないと言い出す始末で、小瀬の背中には不器用ながらも大好きだった父の命が圧し掛かることになる。
相撲で稼ぐしか残された道はなくなった。
果たして、これが悪童・小瀬にとっての転機になるのだろうか。
とうとう小瀬に、戦わなければならない(相撲で上を目指さなければならない)理由ができたのである。
まとめ
戦う理由を背負った人間はきっと強くなる。
そんな感慨に耽りつつ、筆者はふとあることに気づいてしまう。
このドラマ、まだここまで1度も割(試合)をしていない。
スポーツ(武道)の醍醐味と言えば、やはり緊迫感ある試合だ。
あらゆるスポーツ漫画なんかが早々に練習試合を組み入れてストーリーを展開させていくのも、やはり試合こそがスポーツものの肝だからだろう。
しかし、ここまで2話、全体の4分の1を終えて、「サンクチュアリ‐聖域‐」はまだ取組をしていない。
それどころか小瀬はネコ騙しをするばかりで、まともに相撲を取ってすらいないのだ。
にもかかわらずストーリーのテンポはよく、荒っぽい部分と笑える部分とちょっと泣きそうになる部分のバランスが絶妙なので観ていて飽きないどころか、どんどん作品に引き込まれていく。
やはり「サンクチュアリ‐聖域‐」、とてつもなくスゴいドラマである。

