【 Netflix 】「 この茫漠たる荒野で 」考察レビュー、言葉は銃より強し

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この茫漠たる荒野で
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映画ライフ楽しんでますか?

今回は、ペンネーム(@ジョナ)さんからの投稿レビューです。

時は1870年、舞台はテキサス。

となると、これは西部劇に違いない!

と見始めたのですが、既存の西部劇映画を覆す映画でした(良い意味で)。

新大統領が就任し、2021年現在のアメリカの分断の様相が、まるで160年前の南北戦争時代のようだと言われています。

このようなタイムリーな時期に、今作をオリジナル映画として出したネットフリックスに本気を感じました。

本記事では、南北戦争時代を描いた他の映画を挙げながら、今作との違いについて書いてみます。

画像の引用元:IMDb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)

目次

この茫漠たる荒野で

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©この茫漠たる荒野で

公開日

2021210

原題

News of the World 

上映時間

119

キャスト

  • ポール・グリーングラス(監督)
  • トム・ハンクス
  • ヘレナ・ゼンゲル
  • マイケル・コヴィー

予告編

なし

公式サイト

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作品評価

  • 映像
  • 脚本
  • キャスト
  • 音楽
  • リピート度
  • グロ度
  • 総合評価

感想レビュー

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好きだった点

「 ペンは剣より強し 」という言葉がありますが、今作では「 言葉は銃より強し 」といったところでしょうか。

トム・ハンクス演じるキャプテン・キッドは南北戦争を体験した退役軍人で、町を回りながらニュースを町の人々に読み聞かせる仕事をしています。

当時は識字率が低く、新聞を読める人が少なかったため、巧みな話術で人を魅了するキッド大尉のような存在は社会を動かす力を持っていたのでしょう。

トム・ハンクスのユーモア混じりの熱弁は、これまでのドンパチばかりの西部劇には見られない魅力がありました。

当時を白人至上主義の古き良き時代として描かずに、アメリカ先住民を追いやり黒人やメキシコ人を蔑んだありのままのアメリカを描くことで、

差別主義の問題点を浮き彫りにしているジャーナリスティックな切り口に好感を持てました。

嫌いだった点

親をカイオワ族に殺されたドイツ系移民である少女が、6年間かれらに育てられ、さらにその育ての親たちも白人に殺されてしまうという設定が、想像の範疇を超えていて理解が追いつきませんでした。

ただし、狼少女ならぬインディアン(ネイティブ・アメリカン)少女となったジョハンナの演技は、とても良かったです。

もっと南北戦争時代の背景について勉強をし、ポーレット・ジャイルスの原作を読めば、もっと感情移入できるかも知れませんね。

見どころ

西部劇版「 レオン(1994年) 」と呼んでも差し支えない年齢差の、キッド(トム・ハンクス)とジョハンナ(ヘレナ・ゼンゲル)の心の交流が見どころです。

トム・ハンクスとジャン・レノ、デビュー当初のナタリー・ポートマンとヘレナ・ゼンゲルが演じる2作には共通点があります。

オジさんと少女のロードムービーという設定が1つ。

もう1つは、デビュー作における少女の存在感の輝きです。

ナタリー・ポートマンは鮮烈なデビューから、いまは熟練した女優の1人となりましたが、ヘレナ・ゼンゲルのこれからの活躍も注目ですね。

余談ですが、トム・ハンクスとジャン・レノといえば、「 ダヴィンチ・コード(2006年) 」で共演していましたね。

ところで、トム・ハンクス主演の映画は「 キャスト・アウェイ(2000年)」がお気に入りです。

考察レビュー

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南北戦争時代を描いた映画の代表作から、今作にリンクしそうなオススメ作品を挙げてみます。

南北戦争時代の代表作としては、「 風とともに去りぬ(1939年)」が有名ですね。

昨年、黒人差別につながる描写が問題視され、配信が中止されたとのニュースもありました。

それから「 若草物語(1933年)」も名作ですが、現代風にリメイクされた「 ストーリ・オブ・マイライフ わたしの若草物語2019年)」が、原作をしのぐ良作でした。

いま改めて見るべき作品は?

初期の西部劇は、白人(=ヒーロー)対インディアン(=悪役)の勧善懲悪モノが多く、いわゆる奴隷制や先住民虐殺を美化しているような描き方が多いです。

タランティーノ監督が、そのような描かれ方に一石を投じた「 ジャンゴ 繋がれざる者(2012年)」は、一見の価値ありだと思います。

近年の史実を見直して、新しい西部劇映画にはこれからも注目したいですね。

現代アメリカの闇を見つめ、先住民たちの今を描いた名作といえば「 ウインド・リバー(2017年)」もオススメです。

まとめ

この茫漠たる荒野で
©この茫漠たる荒野で

今作の魅力は、白人バンザイ!であった西部劇から脱却し、真摯に歴史を振り返り、これからの世界のあり方を問うというところにありました。

ところで、西部劇の魅力といえば?

窓の外に耳を澄ませて下さい。

ほら。荒野に吹く風が、ウエスタン調の音楽を運んできたようですね。

さて、今夜は「 マグニフィセント・セブン(2016年)」でも見てみようと思います。

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