【 Netflix 】「 マイルストーン 」考察レビュー

マイルストーン
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映画ライフ楽しんでますか?

今回は、ペンネーム@ジョナさんからの投稿レビューです。

「 マイルストーン 」というタイトルから、ジャズの巨人マイルス・デイヴィスの物語か、魚が陸に上がったぐらいの画期的な出来事を描いた映画かと考えたのですが、

インドの超ベテラン運転手のお話でした(そのまんまマイルストーン=里程標の意味)

この記事では、他のインド映画と今作の違いについて書いてみます。

目次

マイルストーン

マイルストーン
©マイルストーン

公開日

202157

原題

Milestone

上映時間

97

キャスト

  • アイヴァン・アイル(監督)
  • スヴィンダル・ヴィッキー
  • ラクシュヴィル・サラン
  • モヒンデル・グジラル

予告編

なし

公式サイト

マイルストーン

作品評価

  • 映像
  • 脚本
  • キャスト
  • 音楽
  • リピート度
  • グロ度
  • 総合評価

感想レビュー

マイルストーン
©マイルストーン

好きだった点

インドの生活が、リアルに描かれている点。

特にトラック運転手たちの過酷さは(日本でも問題になっていましたが)、見ていて辛くなるほどでした。

荷物の積み下ろしで腰を痛めた主人公が、それでも休むことができずに、腰に手を当てながら、走行距離50万キロ(地球12周半分)のトラックを、軽快な音楽や酒(!?)で痛みを紛らせながら走らせます。

インド映画には珍しく、途中で登場人物たちが踊り出すこともなく、長すぎないのも良かったです(笑)

あとクラクションが、「 ドファードド、ファミレミファー、ドド 」と鳴っていて、かつての暴走族が「 ゴッドファーザーのテーマ 」を鳴らしていたのを、懐かしく思い出しました(笑)

嫌いだった点

主人公や、舞台背景の情報や説明がほとんどないため、見る人に判断を委ねている点。

妻を失ったのが事故であるらしいこと、事実無根の浮気を疑われていて夫婦関係が冷え切っていたこと、また、妻の実家のある田舎の人たちと、何やらうまく行っていないらしいことが少しずつ分かってきますが、その理由などは明かされません。

作中の「 外見で判断するものは本質を見誤る。人は見たい世界を現実と捉えがちだ 」という言葉が、今作の作りを支えているようにも思えました。

見どころ

作中の情報が少ないだけに、一挙一動を注意深く見る集中力が求められます。

特に、見習い助手として押し付けられた若者と、主人公の会話は、長くないですが、背景を知るためのヒントともなっていました。

考察レビュー 

インド生まれの若者が、主人公がクウェート出身と知るや興味深々に「 なぜインドにきたの? 」と訊き「 サダム・フセインを知っているか? 」と聞き返します。

若者の答えは「 誰それ? 」で、会話は途絶えます。

フセインとクウェートといえば、1990年、サダム・フセイン時代、イラクのクウェート侵攻に始まった湾岸戦争が挙げられます。

主人公が、20年間運転手を勤めていることから、この戦争から逃れインドに移民として渡ってきたことが推測できます。

湾岸戦争から30年、世界はアメリカの一極支配から多極化へと進んでいます。これからは中国やインドの影響力が、どんどん強まっていくでしょうね。

②疑問点

主人公が、字を書けない他の運転手たちの代わりに出生届などを書いてあげているシーンでは、今作が2020年の話であることが分かります(子どもの生まれた日が2020126日)

それだけに、コロナ禍での彼らが、どうしているのか心配になりました。

まとめ

マイルストーン
©マイルストーン

突然、歌い出したり踊り出したりしないインド映画。

現実の厳しさが、静かに降る雨のように沁み込んできました。

ショパンのノクターンのように。

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記事の監修者

独立系の映画会社 / 最新映画 〜ドキュメンタリーまで、幅広いジャンルを配信中

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