【 Netflix 】「 マリリンの瞳は黒かった 」考察レビュー
傷を抱えた者同士のデイケアセンターで繰り広げられるハートフル・ケアドラマ。
人は人によって傷つけあうが、治すのも人との関わりの中なのだと思わせられる、不器用だけど温かなお話です。
画像の引用元:IMdb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)
マリリンの瞳は黒かった
公開日
2022年3月15日
原題
Marilyn’s Eyes
上映時間
114分
キャスト
- シモーネ・ゴダノ(監督)
- ステファノ・アコルシ
- ミリアム・レオーネ
- トマ・トラバッチ
- マリオ・ピレッロ
- アンドレア・ ディ・カーサ
予告編
なし
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
考察レビュー
ジャンル的にはコメディだけど笑えるシーンはそう多くなくて、精神科あるあるな笑いを求めている方は違うかも。
レストランものなのに美味しそうな料理描写もほぼない。
むしろレストランの裏側を見た的なショッキングシーンもあるので、美味しく癒されたい方も他当たった方が良いです。
物語はDV男のディエゴと虚言癖のあるクララを中心に進んでいくが、結構な時間をデイケア描写に割いている強烈な患者たちがゴロゴロ出てくるのに、
彼らに焦点を当てることなく、最後までいってしまったのは勿体なく感じた。
その辺りがイタリア映画の大雑把さだが、彼らのエピソードを一つか二つでも深掘りしていたら、もう少し厚みのあるヒューマンドラマになったのではないだろうか。
クララの大胆さと優しさは、彼女の元々の性質で、辛いことを「 辛い 」と正直に言える彼女は素敵だ。
しかし、そんなクララこそ今作の中で最も闇を抱えた人物であり、彼女は過去に命を殺すという許されないことをしている。
彼女自身、許されないと分かっているからこそ、強く救いを求めている。
しかし、彼らが本当の意味で救われるには、自身の犯した罪と現状に真っ向から向き合い、真剣に生きることしか道はない。
よく罪を犯した人間は、幸せになる権利がないという人がいるが、それは間違っている。
本当の幸せを知ってからこそ、自身が犯した過ちの意味を知り、深く悔い改めることができるのではないだろうか。
弱さを知っている人間は、知らないよりは確実に人間的な魅力が増す。
同じような辛さを経験した人間を蔑ろにしないし、寄り添うことができる。
世界中がそうなればいいけれど、そうはならないから、彼らのような人々は「 おかしい、過敏 」だと言われてしまう。
本来、感受性が豊かなことは素晴らしいはずなのに。
まとめ
ディエゴとクララは、無理やりラブストーリー的展開にしなくてもいいように感じた。
二人とも激情型だから、くっついては離れを繰り返し燃え尽きてしまうような気がする。
それでも、人生の辛い時期に互いに救いの存在となり共にした時間は、彼らの人生の大切な1ページとなるだろう。