今回は、ペンネーム(@Yoko)さんからの投稿レビューです。
今作「 Mank マンク 」では、脚本家ハーマン・J・マンキーウィッツによる映画「 市民ケーン 」の脚本制作過程が描かれます。
なぜマンクが実在する人物をモデルにしたか?
マンクは「 市民ケーン 」で何を描こうとしていたのか?
そんなマンクの気持ちが分かる作品です。
画像の引用元:IMDb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)
マンク

公開日
2020年11月20日
原題
Mank
上映時間
131分
キャスト
- デヴィッド・フィンチャー(監督)
- ゲイリー・オールドマン
- リリー・コリンズ
- チャールズ・ダンス
予告編
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
感想レビュー

好きだった点
映画史上最高傑作と言われる作品の1つ「 市民ケーン 」
「 市民ケーン 」の裏側を知れるとなれば、映画ファンならば絶対に見たいと、配信される前から期待していました。
当時に合わせてモノクロで描かれているのを見ると、脚本家マンキーウィッツがどんな気持ちで作品を作っていたかが分かります。
ハリウッドに嫌われていたからこそ書くことができたのかもしれませんし、彼のハリウッドへの不満が爆発した作品なんだと。
「 市民ケーン 」といえば、監督で主演を努めたオーソン・ウェルズばかりが注目されてしまいます。
彼以上に「 市民ケーン 」に強い想いを込めたのがマンクだった。
その事実を知ると「 市民ケーン 」をもう1度見直してみたいと言う気持ちになりました。
嫌いだった点
「 Mank マンク 」を見るにあたり「 市民ケーン 」を見直していたのですが、それ以上に1930年台のハリウッド事情の知識なしでは難しく感じてしまう作品でした。
出てくる脚本家や俳優の名前を知らないと、それぞれの立場や状況が分かりにくいです。
なので、勉強し直してからもう1度「 Mank マンク 」を見直そうと思っています。
見どころ
実在する新聞王ウィリアム・ランドルフ・ハーストをモデルにして作られた「 市民ケーン 」
誰もが恐る権力者で政界とも繋がっていた彼を、なぜマンクはモデルにしたのか?
その答えを回想形式で知ることができます。
マンクとハーストの関係。
当時ハリウッドを牛耳っていたMGMの社長ルイス・メイヤーとマンクの関係。
マンクは2人の権力者と関わることで、好き勝手に生きる権力者の傍若無人ぶりに嫌気がさしていました。
彼らはその権力で弱者を突き放します。
彼らはその権力を政治にまで利用した。
それを見たマンクがハリウッドに対して行った抵抗が「 市民ケーン 」だったのです。
マンクの回想と共にどんどん完成されていく「 市民ケーン 」の脚本。
映画「 市民ケーン 」を見た人ならば、マンクの回想シーンと「 市民ケーン 」のシーンが重なり、二重に楽しめると思います。
考察レビュー

1930年代のハリウッドがどれ程の権力を握っていたのか?
「 Mank マンク 」を通じて知ることができるでしょう。
大恐慌の中で苦しむ人々がいる中、ハリウッド関係者は市民よりも遥かにいいお金を得ていました。
映画を使って今でいうフェイクニュースのようなものを流し、市民の心を先導します。
それが実際にカリフォルニア州の州知事選に影響をもたらしてしまった。
当時ハリウッドを牛耳っていたMGMのルイス・メイヤーと、新聞王のウィリアム・ランドルフ・ハースト。
2代メディアの権力がどれほど恐ろしいものかを知ることができます。
それは1930年代のハリウッドだけでなく、現代にも繋がっている問題だと感じてしまいます。
メディアを通じて市民を混乱に導くのは今も昔も変わらない。
まとめ

「 市民ケーン 」の舞台裏を描いた「 Mank / マンク 」
脚本家マンクがこの作品を書いたのは、ハリウッドへの挑戦だけでなく警告だったようにも感じます。
当時の政治ともつながり、色んな意味で「 市民ケーン 」と言う作品は偉大だったと「 Mank/マンク 」を通して知ることができました。