【 Netflix 】「 変わらぬ愛で 」考察レビュー
今回は、ペンネーム@パラムさんからの投稿レビューです。
娘に会うため、刑務官とともに故郷に14年ぶりに帰ってきた男の物語。
悲劇的だけどラストはとても温かい。
画像の引用元:IMDb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)
変わらぬ愛で
公開日
2021年
原題
Love me instead
上映時間
124分
キャスト
- メフメト・エイダ・エズテキン(監督)
- サルプ・アッカヤ
- ソンギュル・オデン
- アルジャン・ケサル
予告編
なし
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
感想レビュー
トルコ映画ということであまり馴染みはないものの、役者たちが演技派揃いでグイグイ引き込まれる。
最初に言っておくとストーリーはとても悲劇的。
正直このラストは予想もしない展開だったので、少し戸惑ったもののこういう愛の形もあるのかと受け入れることにした。
詳しくはぜひ今作を見てほしいのだが、主人公は刑務所から一時的に出所し、14年ぶりに娘に会うため故郷へ帰ってきたムサという男と彼を見守る刑務官のセダト。
冒頭からセダトの取り調べシーンというなんとも重々しい雰囲気で始まるため何かこれから事件が起こるのだろう、もしくはもう起きてしまったのだろうと予測できる。
娘と14年ぶりの再会を果たしたムサは、嬉しさとは裏腹に過去のフラッシュバックに苦しむ。なぜ彼が刑務所に入ることになったのか。
我が子を父親のいない子にしてしまった罪の意識や愛おしさ、そういったものがとても丁寧にじっくり描かれていたのが良かった。
刑務官セダトにも娘がいるのだが、どうやらその娘とうまくいってないらしく、子どもから疎まれている親の悲しみと屈辱には同情しかない。
環境や事情は全く違えど、子どもに対して問題を抱えてる2人の男の想いがどう交差してどんな結末を迎えるのか。
1つ言えることは、2人とも父親としてつらすぎる人生だなということだけ。
娘に会えて夜の散歩したり、仲良く自撮りしたり、ムサがすごく生き生きとして楽しそうだったのに現実はなんて酷いのだろうか。
だからといってラストの展開は無茶苦茶すぎるし、ムサの銃の扱いがジョン・ウィック並の凄腕だったのが唯一のツッコミどころ。
向かうところ敵なしで、もう違うジャンルの映画になりそうだった(笑)
監督はトルコ版「 7番房の奇跡 」を撮っている方だと知り、そちらの作品も見たくなった。
人の内面の描写を、とても丁寧に描く監督だと思うので期待できるかもしれない。
まとめ
今作では誰かに起こっている悲劇を見て見ぬ振りする人間たちへの警告とも捉えることができ、見捨てられた者たちの怒りを感じた。
見て見ぬ振りをすると、痛い目にあうという教訓的な作品でもある。