
誰もが一度はあるだろう。
あの時こっちではなく、あっちの道を選んでいたら自分の人生はどのように変わっていただろう。
画像の引用元:IMdb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)
2つの人生が教えてくれること


公開日
2022年8月17日
原題
Look Both Ways
上映時間
111分
キャスト
- ワヌリ・カヒウ(監督)
- リリ・ラインハート
- ダニー・ラミレス
- アイシャ・ディー
- デヴィッド・コレンスウェット
予告編
なし
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
考察レビュー


人はどうしても考えてしまうことのひとつとして、“もしあの時違う決断をしていたら今頃どうなっていただろうか”というのがあると思う。
今作ではその“もし~だったら”の世界をナタリーを通してわたしたちに見せてくれる。
主人公は、大学卒業の夜に妊娠検査薬を使ったナタリー。
友人とトイレに籠もりドキドキしながら妊娠検査薬を試す。
2分後、陽性か陰性か結果を見たその瞬間から彼女の人生が2つに分岐して、その後が同時進行で描かれるのだ。
ひとつは妊娠していなかった場合の道、もうひとつは妊娠していた場合の道。
ナタリーは学生時代から5カ年計画というものを立てていて、常に未来に備えて自分を磨き学業にも専念してきた。
アニメーションの仕事に就きキラキラ輝きながら働く自分を想像しながら生きてきた。
だから序盤ではアニメーションの仕事を得るためにLAへ飛び立つ夢に満ち溢れた彼女の姿、対して突然世界から切り離されて、
つわりや孤独と戦いながら、実家に身を寄せて暮らす彼女の姿がとても対照的に見える。
明らかに前者のほうがハッピーで後者はバッドな描き方だ。
だが、徐々にバッドだと思えた後者の人生が輝き始めるのだから人生は予測不可能で面白い。
前者のメアリーは仕事と恋人の両方を簡単に手にしたが、仕事ではなかなか上司に認められず、恋人とも遠距離になった途端にギクシャクしていく。
後者のメアリーは突然若くして母親になったが、相手の男性であるゲイブ(元は仲の良い男友達)やいつでも味方になってくれる家族の温かさを知る。
このように人生にはいい時とそうでない時の波がある。
いつ、どのタイミングでそれが来るかは人それぞれだ。
今作ではどちらの道が成功だといった描き方は一切していないところがとてもいい。
仕事に生きる女性も、母親として生きる女性もそれぞれ別の大変さや学びがあるからだ。
今作では、全体的に話がポンポンと上手いように進みすぎたので、もう少し現実寄りな部分も描いてほしかったが。
まとめ
人間は他人の人生を見ては自分にないものを持つ人間が羨ましくなる。
まさに「 ないものねだり 」というやつだ。
いくつもの人生を生きられたらいいが実際そうはいかない。
だからこそ、自分が選んだ人生に自信を持って今を大事に生きようと努力することが幸せに繋がる道なのかもしれない。
そして“好きなこと”は手放してはいけない。
どんな状況になっても、好きなことを続けることが自分らしさを忘れないための方法であると思う。