「 レジェンド・アンド・バタフライ 」レビュー、あらすじ・キャスト・登場人物・評価まとめ
レジェンド・アンド・バタフライ(考察レビュー)
賛否両論で否定派は徹底しそうだ。
- 深く考察された織田信長のファン。
- 《 るろうに剣心 》の大友啓史監督の外連味溢れるアクション時代劇を期待。
はい、この先入観はなしにしましょう!
表層的には福田雄一監督が得意な《 新解釈・日本史 》や《 新解釈・三国志 》をギャグでなく、ロマンス・コメディーにした『 新解釈・信長公記 』とでも言おうか。
NHK大河ドラマで脚本 – 橋田壽賀子の《 おんな太閤記 》的な『 おんな信長公記 』とでも言おうか。
不器用なのは時代的に、女は男の後に立つんだから当然なんて声もありそうだ。
しかし、僕は常々思っている。
男なんて短絡馬鹿だから、女の掌の上で転がされてるのが程よい。
だからこそ、男と女は相手を認め求める想いを…。
たまには素直に認め、言葉で伝えあうべきだと思う。
互いの感謝を忘れずに。
主演は木村拓哉(織田信長)ではなく、綾瀬はるか(帰蝶/濃姫)だと気付かされるだろう。
そんな2人を繋ぐモノが2つある。
1つ目は帰蝶が『 海 』を見て語る夢。
2つ目は信長が帰蝶に買ってあげた『 香炉 』
この2つは大きなキーになる。
『 海 』に繋ぐキーアイテムは安土城の壮大なビジュアル。
ビジュアル的な資料がないため、史実伝承から際限している。
従来のビジュアル以上に下から上に向かう構図で描かれ、荘厳壮大さを演出している。
この上に向かう意図が『 海 』に繋がる。
『 香炉 』は織田信長の逸話として残っている『 三足の蛙香(炉)』だ。
本能寺で明智光秀の強襲を知らせるように、突然鳴き出したとの伝承が残っている。
現存し、本能寺宝物館に所蔵されている。
もう1点の着目点として、明智光秀の謀反の真意だ。
これはボーイ・ミーツ・ボーイとでも、BL的な妄信的激情なのかもしれない。
作中の小さく些細なモノから大きく巨大なモノまで、多様性を纏った『 愛 』が溢れていることに目を向けると、物語は更に深くなるだろう。
本作は壮大なラブ・ストーリーである。
まとめ
本作はシリアスではなく、エンタメとして構築された脚本だ。
シリアスとの対比を絶妙なバランスで監督が纏めたと受け取れる。
だからこそ、気になるのはNHK大河ドラマ《 どうする家康 》
コチラの古沢良太の脚本だ。
戦国時代を見せてくれるのか?
それとも、本作同様にキャラクター・コメディーになるのか?
多いに気になる所存。