こんにちは、Johnです。
映画ライフ楽しんでますか?
今回は、ペンネーム(@テオ)さんからの投稿レビューです。
「 呪怨 」シリーズでお馴染み清水崇監督の「 日本の怖い村シリーズ 」第二弾。
舞台となるのは自殺の名所として名高い「 樹海の森 」
死を呼ぶ呪いの箱、森の深淵にあるという村の秘密、主人公姉妹の秘められた過去。
謎が謎を呼ぶ新たなJホラーの魅力について語っていきます。
画像の引用元:IMDb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)
樹海村

公開日
2021年2月5日
英語タイトル
SUICIDE FOREST VILLAGE
上映時間
117分
キャスト
- 清水崇(監督)
- 山田杏奈
- 山口まゆ
- 神尾楓珠
- 倉悠貴
- 工藤遥
予告編
公式サイト
作品評価
[rate title=”5つ星”]
[value 4]映像[/value]
[value 3]脚本[/value]
[value 5]キャスト[/value]
[value 4]音楽(BGM)[/value]
[value 4]リピート度[/value]
[value 4]グロ度[/value]
[value 4 end]総合評価[/value]
[/rate]
感想レビュー

好きだった点
前半部分は恐怖演出の畳み掛けが堪能できます。
シリーズ定番キャラとなったアッキーナによる臨場感溢れるライブ映像や、歪んでいくパソコン画面、赤ん坊の泣き声など様々なシーンが観客の心を掻き乱してきます。
後半になると、ホラー色は薄くなっていきます。
前作「 犬鳴村 」でも後半部分で血筋の呪いをテーマにして「 ヘレディタリー/ 継承 」のような、逃れられらない運命を掘り下げていったり、タイムループなったりと、ホラーとは別の面白さがありました。
今作では、ギレルモ・デル・トロ監督「 パンズ・ラビリンス 」のような、現実と虚構の狭間で成長するキャラクター物語に焦点を当てていくダーク・ファンタジーとなっていきます。
幽霊も樹木と融合したデザインがなされていたり、樹木の影が襲ってきたりと、正しくダーク・ファンタジーとしての映像の魅力が詰まっていました。
ストーリーとして重要なのが、ドランクドラゴンの塚地武雅演じる精神科医が「 恐怖 」について語るシーン。
要約すると、見えているものが現実か?
虚構か?
どちらにせよ見ている人にとっては「 真実 」であるということ。
今作は一見トンデモ展開の連続です。
しかし、これは主人公姉妹、特にお姉さん(天沢鳴)が真実と向き合うお話として見ればどうでしょうか?
劇中の様々な展開は彼女が乗り越えるべき試練であり、最後に彼女は自らが様々な生命の上に成り立っていることを理解します。
あれほど禍々しく見えた森が、母なる大地として生命に満ち溢れた美しい存在として見えてきます。
生きるって辛いことなんだ、それでも愛に満ちて愛おしくもある、様々な感情を抱きながら天沢鳴が泣き崩れるラストシーンには思わずホロリとしてしまいました。
嫌いだった点
前述したアッキーナに関連する話は、今作では不要と感じます。
恐怖演出としては良いものの、前作と違い直接ストーリーとは噛み合っていないからですね。
エンドロールの途中で挟まれる映像は蛇足だと感じます。
家族愛を描いたホラー作品として素晴らしい出来になっていたものを、あのシーンによって一気に陳腐なホラーという印象に落ち着いてしまい残念に思いました。
見どころ
今作では長回しを多用した演出が輝いています。
会話シーンでのセリフ回しや役者の表情を楽しめるだけでなく、長回しだからこそ表せる緊張感が常に観客の心を不安にさせます。
そこに不意にくる恐怖シーンに思わずギョッとしてしまい、さすが清水崇監督だと唸ってしまいました。
ベストホラーシーンは、とあるキャラクラーが病院の扉を出ていく場面の長回しシーンです。
タイミングといい、映し出されるグロ描写といい精神的にキツイものがありました。
考察レビュー
そもそも琴音(安達祐実)は、あの箱をどこで手に入れたのでしょうか?
もしかしたら琴音の母が何らかの形であの箱に関与していたのではないかと。
琴音が受け継ぎ、鳴と響がさらに受け継いでいった。
つまり、あの家系は箱に生贄を捧げ続ける「 逃れられない血筋の運命 」にあるのではないかと考えられます。
となると、エンドロールシーンにも納得はいきますが、非常に後味が悪いですね。
響の犠牲は何のためにあったのでしょうか。
まとめ

決して怖いだけではない、恐怖を乗り越えたその先を描いた不思議な味わいを残すJホラー。
現実にある樹海の森は、観光スポットでもあるので状況が落ち着いたらいつか聖地巡礼も兼ねて訪れてみたいですね。
でも、決して森の奥には入らないようにしてください。
そこにはきっと樹海村があるかもしれません。