ゾンビマン
「 新感染 」の続編「 Penisula 」の日本公開が待たれる中、新たな韓国産ゾンビ映画がNetfilxで公開!
引きこもってビクビクしている青年が主人公の地味なお話ですが、SNSの活用やドローンを使うなど現代ならではのアイディアを盛り込んだ意欲作。
ゾンビ映画の定番をしっかり抑えつつ、ユニークな作品に仕上がっていると言える本作品を紹介していきます。
#生きている


公開日
2020年9月8日
上映時間
98分
キャスト
- チョ・イルヒョン(監督)
- ユ・アイン
- パク・シネ
予告編
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
感想レビュー


好きだった点
掴みが良い点。
ゲーマーの主人公オ・ジュヌが目覚めてゲームしていたら早速アウトブレイク。
彼の住むマンション団地が阿鼻叫喚の地獄絵図となります。
子どもが豹変してお母さんを食べるシーンは良い意味で最悪でした。
今作で登場するゾンビは、ロメロゾンビとアグレッシブタイプの中間といったところです。
感染者がゾンビに豹変するシーンは、日本の「 アイアムアヒーロー 」を彷彿とさせる関節や体の動きが変に動くこの世ならざる感がありました。
感染が進むと、見るに絶えない程に顔が爛(ただ)れるので、こんな姿になりたくない!と何度も思わされましたね。
物語の前半は、ジュヌの引きこもりサバイバルが続きます。
ここでの女性警察官が団地に迷い込んで来るエピソードが印象的です。
この女性が食べられるシーンを、ただ叫んでゾンビの気を引くしかできない彼の非力な表現が見事でした。
しかも、この後に巨漢ゾンビが部屋に侵入。
人を助けようとしたら、逆に自分がピンチに陥るなんて意地悪な展開ですよね。
この孤独展開が続くからこそ、物語後半にパク・シネ演じるキム・ユビンが、向かいのマンションで生存していたことがどれだけ嬉しいことか。
ジャージャー麺を食べる彼らの交流描写がとにかく微笑ましくかつ「 美味しそう 」でした。
もちろん、親切したらピンチに陥る、という「 意地悪展開 」はユビンにも用意してありました。
物語後半で、どうも無人らしい8階を目指し部屋からそれぞれ脱出する2人。
ここからは、ゾンビ映画のお約束「 人間怖い 」展開になりそのまま怒涛のラスト一直線です。
追い詰められに追い詰められた2人が、それでも生にすがる展開は目頭が熱くなります。
ラストの「 #生きている 」というタイトルの伏線回収は、ゾンビ映画らしからぬ優しいオチですが、個人的には大好きです。
嫌いだった点
ドローンとかラジオの要素はある程度描けていただけに、SNSの要素があまり作品に活きていないように感じました。
ゾンビメイクがおどろおどろしい割に、肝心のゾンビの食事シーンが控えめなのが残念でした。
ここまできたら、いっそグログロにした方が絶望感をより感じれたように思えます。
見どころ
ヒロインを演じるパク・シネさんは、どことなく日本の波瑠さんに似ていましたね。
気丈に振る舞いつつも、実は自殺を試みていたりと、繊細な心を持つ女性を見事に表現していました。
ゾンビをピッケルでなぎ倒していく場面は、主人公同様びっくりしました。
また、オープニングがデビッド・フィンチャーの「 ドラゴン・タトゥーの女 」っぽいと言うか、毒々しいセンスが光るものなので是非こちらも楽しんでください。
考察・疑問点
最初「 新感染 」のスピンオフ的な位置づけかな、と思いました。
しかし、軍隊がしっかりと機能している場面を見る限り違うようですね。
最後に色々な人の伝言メッセージが表示されるので、彼らが無事に救出されることを祈るばかりです。
まとめ


住宅地でゾンビが発生したら?
という私たちが一番想像しやすい形での恐怖を描いています。
自分だったらどうしよう?
トイレは?
食料は?
何して時間潰す?
見終わったら是非、友達と話しあってみることを推奨します!