【 Netflix 】「 獣の棲む家 」考察レビュー、呪いの正体は◯◯だった
映画ライフ楽しんでますか?
今回は、ペンネーム(@テオ)さんからの投稿レビューです。
ある悲劇を乗り越え、南スーダンからイギリスに亡命してきた夫婦。
彼らは新たな「 我が家 」で世にもおぞましい体験をすることに。
その呪いの正体は一体何なのか?
Rotten Tomatoesで批評家支持率100%を叩き出した「 家ホラー映画 」である本作の魅力に迫っていきたいと思います。
画像の引用元:IMDb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)
獣の棲む家
公開日
2020年10月31日
上映時間
93分
キャスト
- レミ・ウィークス(監督)
- ショぺ・ディリス
- ウンミ・モサク
- マット・スミス
- マラーイカー・ワコリ=アビガバ
予告編
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
感想レビュー
好きだった点
今作はホラー映画という括りでありながら、物語内で恐さの質がシフトしていく点に魅力あり。
最初は亡くなった夫婦の娘ニャガクの霊が出ては消えを繰り返す、心霊ホラー的展開で盛り上げていきます。
物語が進むと、イギリスに亡命した彼らに政府から提供された家全体が呪われているのでは?という家自体の禍々しさが少しずつ現れていきますが、
後半になると家に執着して追い出されたくない夫ボルが暴走するサイコ・ホラーへと変化します。
ここまでで上手いのが、常にこれらのホラー展開は主人公夫婦の妄想では?という視点を入れ続けているところです。
特にボルは、イギリスという国で全く違う風習や文化に馴染もうと必死に自分を押さえ付ける描写が目立ちます。
一方、妻リアールも生活様式の変化や夫との考え方の違いによるストレスに常に耐え続けています。
果たして怪異は本物なのか?
彼ら自身の幻覚なのか?
ここで、リアールが家の怪異が言い伝えに出てくる魔術師アペスの仕業だと訴えるシーンが鍵となります。
何の話かと思いきや、最後に彼らが抱えるあまりにも重い十字架の正体が明らかに。
要は、アペスの呪いと思い込み、彼女たちは過去の罪から目を背け続けてきたのです。
しかし、最後は夫婦でこの呪い=罪に向き合う贖罪の物語に落ち着きます。
罪の贖いとは人それぞれだと思いますが、まずは向き合い認めることから始まる。
その裏側にある社会問題を観客である我々に突きつけながらも、この夫婦に希望を残したラストだと感じました。
嫌いだった点
終盤になると、魔術師「 アペス 」が地面を突き破って登場します。
見た目がヨボヨボのおじいちゃんという点はまだ良いのですが、リアールがナイフで首を切り裂いたらすぐ倒せてしまうというのは残念でした。
ここは彼らが自らの罪と向き合うことのメタファーであるため、戦闘シーンを作る意味はありません。
しかし、あまりにも生物的に倒されてしまったため、そこまで盛り上げてきた展開が一気にショボくなってしまったように感じます。
見どころ
ボルの食事シーン。
彼の周りの空間だけが切り取られて、水辺の上にいるというシーンが印象的でした。
まるで三途の川にいるかのような美しくも不気味なシーンです。
ここで、なぜ彼は水の中から襲いくるゴーストに怯えるのか?
最後まで見ると、ここは彼が感じている罪悪感の大きさを象徴したシーンだと分かりました。
考察・疑問点
アペスは実在したのかどうかが今作の一番の見どころ。
結論か、彼らにとってはアペスの呪いは確実にありました。
それは他人には理解できないものです。
しかし、彼らはアペスの呪いと戦い、自らの罪と向き合うことでやっと前に進めた、この事実が大事なのです。
まとめ
ホラー映画でありながら、社会派ドラマとしての側面を持つ作品でした。
移民問題は世界中で話題になっており、日本も例外ではありません。
ぜひ一度ご覧になり楽しんだ上で、皆さんの考えるキッカケになればと思っております。