映画ライフ楽しんでますか?
今回は、ペンネーム@リリヲからの投稿レビューです。
ネットフリックス発ボリウッド映画を初鑑賞。
ネトフリの高額製作費頼りの凡作が相次ぐ中、予算はあまりかけてなさそうなのに、丁寧な心情描写と巧妙な見せ方で、満足できるクオリティに仕上げている。
さすがボリウッド!な作品です。
画像の引用元:IMDb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)
美に魅せられて

公開日
2021年7月2日
原題
Haseen Dillruba
上映時間
135分
キャスト
- ヴィニル・マシュー(監督)
- タープシー・パンヌ
- ヴィクラント・マシー
- ハルシュヴァルダン・レーン
予告編
なし
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
感想レビュー

ありふれた不倫&三角関係モノだけど、それぞれの心情描写を丁寧に描くことで、壮大なラブストーリーにまで底上げすることに成功している。
ミステリーから始まり、ラブコメ⇨ ドロドロ恋愛劇 ⇨ サスペンスへと作品ジャンルが変化していき、ラストはウルっときちゃうラブストーリー。
どんどん発展していくのが見事です。
序盤のラニとリシュのお見合い結婚が、ぎこちなくて可愛いカップルだなと微笑ましく見ていると、緩やかに確実に彼らの人生が転落していきます。
もはや自殺未遂すら可愛すぎるリシュの姑と嫁ラニとの会話バトルも面白い。
インド映画あるあるの決めつけと、自信たっぷりな警官もユーモラスに描かれている。
ラニの理想の男性像を、リシュが「 6人格必要だね 」と言っていたのに、ラニの不倫後、リシュがその理想を満たすミステリー小説を超えた男へと変貌するも、
今度はラニの命を狙い始めちゃうのがシニカルすぎる。
しかも、そんなリシュに不覚にもキュンときちゃうラニ。
2人の関係性とその変化は、恋愛にいかに「 3つのing 」、特に「 ハプニング 」と「 タイミング 」が大事かをよく表している。
劇中の「 人間関係は絆、愛は欲望 」という台詞も、今作や世界のカップルと照らし合わせると思わず頷いてしまう。
「 欲望 」は相手が死なない限り終わらない。
不倫の場合は特に。
まとめ

「 いっそ死んでくれたらいいのに 」は不倫の常套句であり、本音でもあるのだ。
それとは逆に、「 愛 」は相手を生かそうとする力を与え、人と人を強く結びつける。
ラニとリシュのラストシーンは、その「愛」の結果であり、どこか欠けたところのある完璧ではない2人が、必死につかみ取った運命を応援したい気持ちにさせられる。
素晴らしい余韻の作品だった。