【 ジブリ初のフル3DCG 】「 アーヤと魔女 」考察レビュー、主題歌はインドネシア歌手シェリナ・ムナフ
こんにちは、Johnです。
映画ライフ楽しんでますか?
今回は、ペンネーム(@リリヲ)さんからの投稿レビューです。
スタジオジブリからまた新たな魔女の映画が誕生。
監督は宮崎吾朗(以下、吾朗氏)。
当初、日本公開はされない予定でしたが、海外配給と合わせて2021年4月に劇場公開されます。
子ども向けのシンプルでコンパクトなストーリーながら、スタジオジブリ初の3DCG作品ということで、これまでの作品とは少し毛色が違う今作をレビューしていきます。
画像の引用元:IMDb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)
アーヤと魔女(作品情報)
公開日
2021年4月29日
原題
Earwig and the Witch
上映時間
82分
キャスト
- 宮崎吾朗(監督)
- 平澤宏々路
- 寺島しのぶ
- 豊川悦司
- 濱田岳
予告編
公式サイト
作品評価
[rate title=”5つ星”]
[value 2]映像[/value]
[value 1]脚本[/value]
[value 3]キャスト[/value]
[value 3]音楽(BGM)[/value]
[value 1]リピート度[/value]
[value 1]グロ度[/value]
[value 1.5 end]総合評価[/value]
[/rate]
感想レビュー
好きだった点
私がスタジオジブリに期待するのは、下記の3つ。
- 躍動感
- ワクワクする展開
- その世界に行ってみたくなるかどうか
冒頭のバイクと黄色い車のカーチェイスシーンから、赤くたなびくロングヘアが魔法に変化し、魅惑的な笑みを浮かべるアーヤママは、個性強めでツカミはバッチリ!
主人公アーヤも能動的なキャラクターでして、ジブリ飯(今回はシェパーズパイ)も美味しそう!
3DCGになってもジブリの特徴である躍動感は損なわれていません。
嫌いだった点
CGは服やアンティークな家具の質感がわかる丁寧なものと、のっぺりとしたもの差が激しく、その2つがワンカットに収まっているので、違和感がハンパないです。
吾朗氏は2014年にテレビアニメ「 山賊の娘ローニャ 」をCGで撮ったものをセル画風にみせて作っています。
こちらの質感は違和感なくジブリ作品なので、これくらいのCGで劇場公開しないと、急なギアチェンジに観客は戸惑ってしまうのではないでしょうか。
見どころ
人を操る主人公アーヤ。
ポスタービジュアルにみるアーヤは「 となりのトトロ 」のメイ、「 メアリと魔女の花 」のメアリの既視感があるけれど、話が進むにつれ、
アーヤの個性がどんどん出てきて、どのジブリキャラクターとも違う魅力に溢れている。
ベラが放ったミミズを、一瞬で一石二鳥の計算をし、マンドレークの部屋に隠しちゃうところで、一気にアーヤを好きになっちゃいます。
世渡り術に長けていて、だからといって現状を嘆いたり誰かをバカにすることもない。
今、自分がいる場所を生きやすく変えようと突き進む、良い意味で“心臓に毛が生えた性格は、これまでのジブリヒロインと一線を画しています。
音楽がテーマの新しいジブリ作品として劇中バンド「 EARWIG 」が歌うテーマ曲「 Don’t disturb me 」がキーアイテムとして登場します。
歌は過去にジブリCMでコラボしたこともあるインドネシアの歌手シェリナ・ムナフが歌っていて最高。
もう少し音楽を掘り下げればひとつ抜きに出た作品になれたのになあ(残念)。
考察レビュー
続編はあるのか?
物語は謎は謎のまま、いよいよ動き出しそうなところで唐突に幕を閉じます。観客が期待
するアーヤママとの再会からの12人の魔女との対決はありません。誰もが「え?続きは
?」と思うことでしょう。しかしながら、吾朗氏は原作通りに終えただけで、原作に続き
はありません。でもすでに原作を補填する形で描かれているオリジナルラストが夢があり
素晴らしいので、このまま完全オリジナルの続編を作っても良いのではないでしょうか。
吾朗氏が描く魔法バトル、観てみたいです!
目立つ伏線回収の甘さ
アーヤママはなぜ12人の魔女に追われているのか?
12人の魔女に操られるとはどういう意味か?
黄色い車のナンバープレートには「 MYA-13W 」と書かれており、それぞれ、Mandrake、Yaga、A(アーヤママの名前?)、13Witchの頭文字を表しているようだが、
そんな固い絆で結ばれた彼らに何があったのか?
アーヤの父親はマンドレーク説
回想シーンでアーヤママとマンドレークは恋人同士のようだったが、アーヤの父親はマン
ドレークなのか?アーヤのトレードマークのはさみ虫の髪型はマンドレークの角を表して
いて、父娘の証なのか?魔女の掟を破ったとは、マンドレークとの子どもを宿したことな
のか?それとも別の人間の子どもを宿したことなのか?
どの疑問も回収されないと物語として完成しないので、ぜひ続編を!
まとめ
これまで大人向けの作品ばかり描いてきた宮崎吾朗氏が子供向け作品をどう描くか?音楽
というジブリに新風を吹かせるテーマも興味深かったです。オリジナルの続編があるとし
たら、吾朗氏がどう仕上げてくるのか?ここまできたら最後まで見届けたい。
あと、劇中の隠れトトロや隠れハウルも探してみてくださいね。