今回は、ペンネーム(@ayahhi)さんからの投稿レビューです。
映画ライフ楽しんでますか?
強さも儚さも持つマーゴット・ロビーの目力にグッと引き込まれる。
夢と現実の切なさがあとをひく意欲作。
画像の引用元:IMDb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)
ドリームランド
公開日
2021年4月9日
原題
Dreamland
上映時間
101分
キャスト
- マイルズ・ジョリス=ペイラフィット(監督)
- マーゴット・ロビー(兼プロデューサー)
- フィン・コール
- トラヴィス・フィメル
予告編
公式サイト
作品評価
[rate title=”5つ星”]
[value 4]映像[/value]
[value 4]脚本[/value]
[value 4]キャスト[/value]
[value 4]音楽(BGM)[/value]
[value 4]リピート度[/value]
[value 5]グロ度[/value]
[value 4 end]総合評価[/value]
[/rate]
感想レビュー
好きだった点
マーゴット・ロビー演じるアリシアがとても魅力的です。
恵まれない境遇によって犯罪に手を染めしまう。
すさんだ側面を持ちながらも、愛情深い可憐さも持つアリシア。
その表情は絶えず変化し、どれが本当の彼女なのかは謎のまま。
17歳の少年ユージーンにしてみたら、とんでもない危険な存在。
そんな、惹かれずにはいられない女性をマーゴット・ロビーが見事に演じ、見惚れてしまいます。
嫌いだった点
嫌いだったというより苦手だったのが、アリシアの右足から銃弾を取り出すシーンや、ユージーンの父がウサギの皮をはぎ頭を叩き潰すシーンなど。
直視できないグロテスクで刺激の強いシーンが多くあります。
そうした生々しい描写が、ストーリーとはあまり関係ないように感じたので、そのシーンの必要性はあるのか?
とやや疑問に思いました。
銀行強盗に入った際、自分を守るために罪のない人たちを殺してしまいながら、あたかも自分が被害者のようにふるまうアリシアには賛同できません。
彼女もまたテキサス特有の砂嵐によって収入を絶たれ、苦境に立たされた1人の被害者ではありますが.
かといって罪のない者を殺してしまうことが正当化されていいはずありません。
とはいえ、彼女自身、その行いに葛藤がなかったわけではないので、その心の動きなどをもう少し丁寧に描いてほしいと思いました。
見どころ
なんといっても逃避行を繰り広げる主人公2人の演技です。
罪を犯し、出口のない現実から異国に光を見出すアリシアと、ここではないどこかを目指し、夢見がちながら意思の強さをみせるユージーン。
両者の苦悩や絶望、愛情や希望が見事に表現されていて、最初から最後まで画面にクギ付けでした。
考察レビュー
今作ではマーゴット・ロビーがプロデューサーも兼任。
演じるだけではなく、映画製作にも積極的に関わる女性も増えているように感じる昨今。
男女間のギャラ格差問題や大物プロデューサーのセクハラ告発など、おそらくは男性優位社会だったと思われる映画業界。
そこには、やはり作り手側に女性の絶対数が少ないことも原因かと感じます。
しかしこうして、今のハリウッドときめくマーゴット・ロビーのような力のある女性が、出演だけでなく制作側にも軸足を置いていることは、時代の変化・進化を感じ喜ばしい。
「 愛と闇の物語 」では、ナタリー・ポートマンが主演・監督・脚本を務めていたのも記憶に新しく、男女や職業にとらわれず、優れた作品を意欲ある人がつくる。
という気運が高まっているように感じました。
ユージーンがなぜそんなにも実父を求めていたのかが、しっくりきませんでした。
自分と同じ空想壁があることに、絆やアイデンティティを感じていたということなのでしょうか?
ユージーンの幼少期、両親の喧嘩が絶えず、酒に溺れ、自分勝手に家を出て行ってしまった父。
ユージ―ンと会話するシーンすらなかったので、そんな父に対し思い入れがあることがやや不自然に感じました。
まとめ
登場人物の心理描写はやや粗い印象はありますが、
それを補って余りある、アリシアとユージーンの憂いを含んだ演技が魅力的な1本です。
タイトルの「 ドリームランド 」(原題そのまま)がピッタリな、ありそうでなさそうな「 夢の国 」をめざした2人の運命とは?