「 カラミティ 」考察レビュー

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カラミティ
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映画ライフ楽しんでますか?

今回は、ペンネーム@ayahhiさんからの投稿レビューです。

女性という枠を見事に飛び出して自分の力を発揮し、文字通り道を切り拓くジェーンの姿がとにかくすがすがしい1本。

画像の引用元:公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)

目次

カラミティ

カラミティ
©カラミティ

公開日

2021年9月23

原題

Calamity, une enfance de Martha Jane Cannary

上映時間 

82分

キャスト

  • レミ・シャイエ(監督)
  • サロメ・ブルバン
  • アレクサンドラ・ラミー
  • アレクシ・トマシアン

予告編

公式サイト

カラミティ

作品評価

[rate title=”5つ星”]

[value 5]映像[/value]

[value 5]脚本[/value]

[value 4]キャスト[/value]

[value 4]音楽(BGM)[/value]

[value 4]リピート度[/value]

[value 3]グロ度[/value]

[value 5 end]総合評価[/value]

[/rate]

感想レビュー

カラミティ
©カラミティ

好きだった点

主人公ジェーンの逆境に負けず、ひたむきに生き抜く姿にハラハラしながらも勇気をもらいます。

行く先々で災難にばかり遭い、周りにも迷惑をかけっぱなしのジェーン。

タイトルの「 カラミティ=疫病神 」というのはここからきています。

そんなことで彼女はしょげたり卑屈になることはせず、強い精神力と冒険心で結果的に皆に幸福をもたらすという展開は救いがあってよかったです。

自分と自分の家族を愛し、守ろうと必死に周囲にあらがう姿は健気でもあり、可哀想でしかたない場面もあり、自然と感情移入して応援する気持ちになります。

ただガマンになるのではなく、機転を利かせるスマートさや、ときに色気さえも自然に使い、自分の道を確固たるものにしたジェーンには心から拍手です。

嫌いだった点

ジェーンが「 女のくせに生意気だ 」と男の子数人にからかわれ髪を引っ張られ、泥まみれにさせられるシーンは胸が痛む辛い描写でした。

女だから大人しくしていなくてはいけない。

男に逆らってはいけない。

男より優れていてはいけない。

そんな圧力が、子どもたちにまで浸透すると思うとやりきれない思いになります。

世の中ではこうしたやりきれない事象が沢山起こっているのだろうなと、想像して辛くなります。

納得のいかなかったシーンとしては、ジェーンが旅団から盗みの濡れ衣を着せられた時、父親が彼女をかばわずに目をそむけたことが引っ掛かりました。

不器用でお荷物扱いされっぱなしの父親のことをジェーンはいつもかばい、尊敬してきたのにジーンズ姿を「 恥ずかしい 」と言い放ったり、

犯罪者扱いに抵抗しなかったりと、その態度はあんまりではないでしょうか。

手柄を得て帰ってきたらすんなりと親子に戻れるというのは、やや虫が良すぎると感じました。

考察レビュー

この作品は、実在した米西部開拓時代の女性、マーサ・ジェーン・キャナリーという女性ガンマンの少女時代の冒険を描いたもの。

時代は数百年違えど、人間の中身は全く変わらないのだなとシミジミ感じました。

マーサをからかった男の子たちがそうであったように。

自分と違う属性の存在が、自分のカテゴリーの中に侵入してきたとき、心ない攻撃や意地悪な集団行動が起こります。

自分が攻撃されないための防御として、未知の存在に対する恐怖として起こってしまう悲劇。

キャナリー氏が受けた偏見や差別なども、恐らく見ていられないようなものであっただろうと想像します。

しかし、それに屈せず自分の生きたいように自分の意志で生きる女性像を、男性の比較的年配の男性が監督し描いていることに好感を持ちました。

まとめ

カラミティ
©カラミティ

ジェーンの旅団に現れた能力に優れリーダーシップあふれる金髪の少尉に憧れ、彼との結婚話に沸く女の子たちに対し、ジェーンは「 あんな風に生きてみたくはない?」と言い放ちます。

完全に自分が当事者となって人生を切り拓く意思を見せるジェーンは、女の子たちから総スカンを食らうわけで、同じ属性にいるものが味方とは限らないということもまた頷けます。

アニメではありますが、人間の汚い部分や温かい部分も丁寧に描写されていて目が離せず、大人こそ見るべき作品だと思いました。

カラミティ

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